1998 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドーシス発症機構の解明 :マウスモデルを用いた蛋白構造伝播仮説の検証
Project/Area Number |
09670224
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樋口 京一 信州大学, 医学部加齢適応研究センター, 教授 (20173156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 昌則 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (00127135)
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Keywords | アミロイドーシス / 蛋白構造伝播 / マウス / apoA-II / プリオン / 繊維形成反応 / 老化 / pro-apoA II |
Research Abstract |
マウス老化アミロイドーシスではapoA-IIがアミロイド線維(AApoA II)として全身に沈着する。アミロイドーシスの発症機構の解明のため今年度はAApoA IIをマウスの消化管内に投与しアミロイド線維の感染による発症の可能性を解析した。精製したAApoA IIをソニケーターで細断し2ヶ月齢のR1.P1-Apoa2^Cマウス胃内にゾンデを用いて5日間連続投与した。投与後2ヶ月で全てのマウス(13/13)にアミロイド沈着が観察され、その後沈着が増大した。沈着は小腸粘膜固有層から始まり、その後、胃粘膜、舌乳頭へと沈着が進行したが、肝臓・脾臓への沈着は投与後4ヶ月で一部のマウスのみに観察された。沈着程度は昨年度報告したAApoA IIを静脈投与した群よりも有意に軽度であり、しかも小腸粘膜への沈着が顕著であった。さらにAApoA IIを懸濁した蒸留水を飲ませると2ヶ月後よりアミロイドーシスの発症が観察された。高齢R1.P1-Apoa2^Cマウスを2ヶ月齢マウスと同一ケージ内で3ヶ月飼育した結果、アミロイド沈着が若齢マウスで観察された(24/27)。しかし沈着程度は胃内投与群よりもさらに軽度であり、小腸粘膜内に留まる個体が多かった。 今年度の研究によりマウス老化アミロイド線維核(AApoA II)が消化管を経由してマウス個体内に侵入しアミロイド蛋白(apoA-II)の構造変換を引き起こし、アミロイド沈着を誘導、促進すると言う、「蛋白質構造伝播仮説」が実証された。アミロイドーシスの新たな発症機構として重要な意義があると考えている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Keiishi Higuchi: "The Senescence-Accelerated Mouse" Meth.Enzym.印刷中. 印刷中 (1999)
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[Publications] Keiichi Higuchi: "Fibrilization in mouse senile amyloidosis is fibril conformation dependent" Lab.Inveset.78・12. 1535-1542 (1998)
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[Publications] Hiromi Fujisawa: "Accelerated aging of dermal fibroblast-like cells from Senescence Accelerated Mouse (SAM) : Acceleration of changes in DNA ploidy associated with in-viro cellular aging." J.Gerntol.53A・1. B11-B17 (1998)
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[Publications] Masato Shoji: "A morphological and morphometrical study of the retina in aging SAM mice." Opthal. Res.30・1. 172-179 (1998)
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[Publications] Jingxian Han: "Age-related changes in blood pressure in Senescence-Accelerated Mouse (SAM) ; aged SAMP1 mice manifest hypertensive vascular diseases." Lab.Anim.Sci.48・1. (1998)
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[Publications] 樋口京一: "老化促進モデルマウス(SAM)を用いた長寿科学への分子的アプローチ" Molecular Medicine. 35・5. 608-615 (1998)
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[Publications] 折茂 肇: "新老年学(第2版)" 東京大学出版会, 1648 (1999)
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[Publications] 日本遺伝子治療学会: "遺伝子治療開発ハンドブック" エヌ・ティー・エヌ(印刷中), (1999)