1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670416
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 博 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (70142528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 治 国立公衆衛生院, 衛生微生物, ウイルス室長 (40270631)
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Keywords | 二枚貝 / ウイルス汚染 / 下痢症 / 食中毒 |
Research Abstract |
食品を介して食中毒の原因となるウイルスはロタウイルス、アデノウイルス、アストロウイルス、SRSV(カリシウイルス)などが知られている。また、A型肝炎ウイルスが牡蠣を介して集団発生することも知られている。中でもSRSVがウイルス性食中毒の主因であると推定されている。本研究の目的は、年間を通じて同一の養殖場から材料を採取し、そのウイルス汚染の実態を明らかすること、また、消費地において食中毒の原因となりうる可能性を探ることである。市販の牡蠣については、関東地区で購入できる各地の生食用と加熱用とを購入し現在蓄積中である(食用時期が冬季であるため)。本年度は、牡蠣はN県、ホタテ貝はA県から食用としない時期を含め年間を通じて直接購入しウイルスRNAの検出を行った。ウイルスRNAの検出には、RT-PCR法を用い、4組のカリシウイルスPrimerとアストロウイルス、A型肝炎ウイルスPrimerを用いた。 ホタテ貝は、1995年9月から1999年2月現在(41カ月)まで毎月採取し、カリシウイルス、アストロウイルス、A型肝炎ウイルスについてRT-PCR法によりウイルスRNAの検出を行ったが、現在までいずれの時期の検体からもウイルスRNAは検出されていない。 一方牡蠣は、N県の1995年9月から1999年1月までの検体について検索を行ったが、季節変動は認められなかった。 各産地の検体から検出されたウイルスRNAの遺伝子解析の結果、GenogroupIIのものが多く検出されている。また、GenogroupIとGenogroupIIが同一検体から検出された例もある。本研究で牡蠣から検出されたウイルスRNAと各地の食中毒患者便から検出されたウイルスRNAの遺伝子解析を行ったところ極めて近い関係にあった。 社会的影響を考慮して全ての検体について、再検査を試みている。
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