1998 Fiscal Year Annual Research Report
ABO式血液型遺伝子領域における遺伝的組換え現象の解析
Project/Area Number |
09670456
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Research Institution | OSAKA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
鈴木 広一 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60171211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 元 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90253260)
田村 明敬 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50207239)
宮崎 時子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60084919)
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Keywords | ABO式血液型 / 遺伝的組換え / 遺伝子変換 |
Research Abstract |
この研究の契機はABO式血液型(以下ABOと略)遺伝子座でde novoの組換え例を発見したことである。各対立遺伝子の配列からみて、親子のいろいろな型の組み合わせのなかで、de novoの組み換えによって子の表現型に矛盾が生じるというのは特定の組み合わせに限られ、非常に稀なことと考えられる。このことは表現型の矛盾として現れない組換えがかなりの頻度で存在している可能性を示している。このような推察から、一般集団をスクリーニングした結果、組換え体がかなりの頻度(1〜2%)存在していることを明らかにした。 これらの組換え体をまとめると、12種類の可能な組み合わせのうち、A1-O1、B-A1、B-O1、B-O1v、O1-O1v、O1v-A1、O1v-Bという7種類の配列構成(例えばA1-O1というのは、遺伝子の5側がA1遺伝子の、3'側がO1遺伝子の配列であることを示す)であった。O1v-Aには配列の変換領域が異なるものがあったので、あわせて7種類8個となる。これらはいずれも、エクソン2から7までの間に配列の変換領域をひとつもっていたが、イントロンVとエクソン7の2ヶ所に変換領域のあるO1v-B-O1vという配列構成をもった組換え体も見いだした。この組換え体の成因としては交叉よりも遺伝子変換が考えやすい。 以上のように、わずか300人足らずの集団調査で、予想される組換え配列12とおりのうち7つを見いだしたことは、ABO遺伝子領域では、新規の組換えを繰り返してきていることを示している。近傍に相同の配列をもった遺伝子などが報告されていないことから、相同遺伝子がタンデムに配列している領域に起こりやすい交叉よりも、遺伝子変換のような機構が関わっている可能性が高く、高等生物における遺伝子変換機構を研究するモデル領域になると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koichi Suzuki et al.: "A de noro recombination in the ABO blood group gene and evidence for the occurrence of recombination products." Human Genetics. 99. 454-461 (1997)
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[Publications] 辻 洋子 ほか: "ABO式血液型遺伝子座における遺伝的組換えについて" DNA多型. 5. 159-162 (1997)
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[Publications] 辻 洋子 ほか: "ABO組換え体の遺伝子解析2-新たに発見した例について-" DNA多型. 6. 260-263 (1998)
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[Publications] 鈴木 廣一: "B型の母とO型の父からA型の子が生まれるか?-ABO式血液型のミステリー-" ケース研究(家庭事件研究会). 253号. 28-38 (1997)
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[Publications] Tsuji,H.et al: "Sequence Diversitics in the O Allele of the ABO Bloud Group : Occurrence of a Novel O Allele." Proceedings of the 14th Meeting of the International Association of Forensic Scienees. SHUNDERSON canada. vol.1. 12-14 (1997)
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[Publications] Hiroko Tsuji et al.: "A De Novo Recom binafion in the ABO Gene and Frequent Occurrence of Rccoon bination Products" Advances in Research on DNA Polymorphisms Toyo shoten. 330-335 (1997)