1998 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息の発症機構におけるVα24JαQ陽性T細胞の役割
Project/Area Number |
09670600
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Research Institution | Chiba University Scool of Medicine |
Principal Investigator |
岩本 逸夫 千葉大学, 医学部, 助教授 (10111436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉沢 和宏 千葉大学, 医学部, 助手 (30282479)
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Keywords | 気管支喘息 / Vα24JαQ T細胞 / NK T細胞 / T細胞レセプター / IFN-γ / Th2タイプ免疫応答 |
Research Abstract |
本研究は気管支喘息のアレルギー性気道炎症の発症及び制御におけるNK T細胞の役割を明らかにするために、気管支喘息患者及び健常者T細胞のT細胞レセプター(TCR)のVα24遺伝子のへテロジェニティおよび機能的役割を解析することを研究目的とした。すなわち、in variant Vα24JαQ細胞の動態、TCR Vα24遺伝子のCDR3領域のへテロジェニティ、さらにdouble-negative(DN)Vα24陽性T細胞のサイトカイン産生能について検討した。 健常者におけるNKT細胞は単一のinvariant TCR Vα24JαQを持ち、NK細胞レセプターとしてKRP1を持つDN T細胞がその殆どを占めていた。しかしCD4陽性T細胞中にはこのVα24JαQ+NKRP1+細胞は殆ど存在しなかった。アトピー性喘息ではDN T細胞中にVα24JαQ+細胞は殆ど存在せずNK T細胞は消失していた。またCD4陽性T細胞中にもVα24JαQ+細胞は殆ど存在しなかった。さらに喘息患者におけるDNVα24陽性T細胞のVα24遺伝子のCDR3領域核酸塩基配列の解析では、Vα24遺伝子はへテロジニィアスであり、特定のクローンの増加はみられなかった。さらに健常者のDN Vα24JαQT細胞をPMA/イオノマイシン刺激によるサイトカイン産生能の検討では、大部分の細胞がIFN-γを産生していた。これらのことから、アトピー性喘息ではNKT細胞の消失によるTh2タイプ免疫応答がその発症に関与することが示唆された。
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[Publications] Nakao A,et al.: "High-dose oral tolerance prevents antigen-induced eosinophil recruitment into the mouse airways" Int.Immunol.10. 387-394 (1998)
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[Publications] Sano H,et al.: "Cross-linking of ICAM-1 induces interleukin-8 and RANTES production through the activation of MAP kinases." Biochem.Biophys.Res.Commun.250. 694-698 (1998)