1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670624
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
工藤 新三 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20186406)
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Keywords | 肺臓炎 / 肺癌 / 抗癌剤 / 併用療法 |
Research Abstract |
【基礎研究】塩徴イリノテカ(CPT-11)ン、シスプラチンなど肺癌治療において中心的な薬剤と放射線の同時併用による肺障害についてin vivoで検討した。マウスを用い、放射線は片側1回肺照射とし照射線量は5Gyより15Gyまで段階的に増量、さらに薬剤と併用し、照射後一定時期に屠殺し、照射肺及び非照射肺について組織学的に検討した。HE染色により肺障害の程度を検討したが、有意な変化を見い出すことができなかった。照射肺よりRNAを抽出しTGFβの定量も行ったが、現在のところまとまった結果が得られていない。今後さらに検討をしていく。 【臨床研究】放射線及び化学療法同時併用を行った患者60例について、肺臓炎を起こす危険因子について検討した。照射面積200cm^2以上、下肺野、CPT-11の同時併用などが有意な危険因子であることを明らかにした(Eupean J Cancer 34,71-75,1998)。放射線治療あるいは放射線・化学療法の併用療法を受ける患者で、治療前後において末梢血中及び気管支肺胞洗浄(BAL、照射外の健側肺)中の細胞成分、各種マーカーの変化を10例の患者について測定した。その結果、BAL中のリンパ球、好中球、アルブミンが有意に治療により増加した。放射線治療が照射外の健側肺にも影響を与えることを明らかにした(呼吸器病学会誌抄録集1999年、p276、Abstract No.PF-18)。CPT-11と放射線の同時併用の第1相試験を26例の患者に対して共同研究で行った。その結果、1)用量制限毒性は、肺臓炎、食道炎、下痢であり、最大耐用量は60mg/m^2、推奨投与量は45mg/m^2であった。2)奏効率は75%、生存期間中央値は15.6ヵ月であった(British J cancer,in press,1999)。次に、CPT-11+カルボプラチンに放射線の同時併用の第1相試験を行った。症例は31例で、1)DLTは、肺臓炎、好中球減少、血小板減少で、最大耐用量はCPT-11=60mg/m^2であった。50mg/m^2がCPT-11の推奨投与量と考えられた。2)奏効率は60%、生存期間中央値は18.8ヵ月で1年生存率56.2%、2年生存率30.7%であった。本治療法は、切除不能III期非小細胞肺癌に対し優れた治療効果と耐容可能な副作用であることが示唆された。第II相試験による効果、副作用の確認が必要と考えられた(ASCO,proceeding in press,1999)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Yamada et.al: "Risk Factors of Pneumonitis Following Chemoradic therapy for-Lung Cancer" European Journal of Cancer. 34・I. 71-75 (1998)
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[Publications] K.Takeda et.al: "Phase I/II study of weekly Irinotecan and concurrent radiation therapy for locally advanced Non-Small-Cell Lung Cancer" British Journal of Caner. in press. (1999)