1997 Fiscal Year Annual Research Report
心外膜腔補助循環法"Pericardial pumping"の基礎的研究
Project/Area Number |
09670734
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森川 淳一郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80244614)
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Keywords | 心マッサージ法 / 経食道心エコー / 前後方向圧迫 / 左右方向圧迫 / 僧帽弁逆流 / 心外膜腔補助循環法 / マンシェット / 超音波血流計 |
Research Abstract |
1.平成9年度は計画に従って、雑種成犬を用いた種々の用手心マッサージ法を施行した。 (1)【方法】大動脈圧、右心房圧及び経食道心エコーのモニター下に心室細動を誘発し、前後(腹背)方向圧迫と左右方向圧迫の比較検討を行なった。僧帽弁逆流は経食道ドップラー心エコーにおける、逆流面積/左房面積を用いて定量化した。 (2)【結果】前後方向圧迫による逆流面積/左房面積は平均0.08と微量であったが、左右方向圧迫では0.76と大量の逆流を呈した。この時、急性期の大動脈圧は逆流量が加わるのを反映してむしろ高値を呈した。 (3)【結論】直接的心マッサージ法としては、前後方向圧迫を主とし、左右方向は避けるのが望ましい。この結果は心外膜腔補助循環法の基礎データとなると共に、広背筋を用いた補助循環法にも役立つと考え、現在投稿中である。 2.さらに平成10年度の計画であった、心臓を包みこみ空気で伸縮するサックの予備実験を施行中である。心臓を包みこむサックとして血圧計のマンシェットを用い、用手的に加圧することにより十分な動脈圧及び血流(超音波血流計を用いた)が得られている。血圧、血流に加えマンシェット圧を同時記録し、実験中である。 3.平成10年度の計画として (1)人工呼吸器を拍動流ポンプとして用いることにより、マンシェット加圧の定量化をはかる。 (2)心膜腔中にマンシェットのゴム部分が挿入可能か、さらに心外膜がマンシェットの圧に耐用可能かを豚の心臓を用いて検討し、心外膜腔補助循環法の確立を目指す。
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