1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670738
|
Research Institution | Wakayama Medical College |
Principal Investigator |
馬場 章 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00228678)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽野 卓三 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (90156381)
|
Keywords | プレコンディショニング / 虚血・再灌流障害 / K_<ATP> channel / diazoxide |
Research Abstract |
ラットの単離左室心室筋細胞を倒立型顕微鏡のステージ上のチャンバー内に入れ、表面灌流を行った。窒素ガスでbubblingした無グルコースTyrode液により無酸素潅流を15分間行ったのち、大気と平衡させたグルコースを含んだTyrode液を40分間灌流し、再酸素化した。ミトコンドリアのK_<ATP> channel openerとして、30μM diazoxideを無酸素とする5分前から無酸素終了時まで灌流した。Rod cellを生存細胞の判定基準とし、実験毎に無酸素灌流を開始する前の生存細胞数を100%とすると、実験終了時の無酸素15分では、対照群22.0±13.3%、diazoxide(D)群59.3±10.6%(p<0.05)とD群で有意に生存率が高かった。観察対象とした初期rod cell、対照群84cells、D群123cellsについて、再酸素化40分のときの形態は、対照群では、round cell62.3%、rigor contracture10.7%、D群では、round cell20.3%、rigor contracture19.5%と対照群では死細胞は、多くがround cellであるのに対し、D群では、rigor contractureの比率が高かった。単離心室筋細胞を予め、EGTAを含んだ溶液で洗浄し、Ca^<++>をキレートしたのち、saponinでskinned cellにすると、rigor contractureを生じた。これは、細胞質内のATPが流出したために生じたものと考えられる。従って、ミトコンドリアのK_<ATP> channel openerによる心筋保護作用は、Ca overload によりround cellになることを抑制する可能性が考えられた。
|