1997 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化巣における脂質の捕捉に及ぼすGAGs,電解質相互作用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09670741
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
太田 明広 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50194155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 昌範 和歌山県立医科大学, 医学部, 研究員
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Keywords | 動脈硬化 / glycosaminoglycans / low density lipoprotein |
Research Abstract |
動脈内皮下の粥状硬化巣にProteoglycans(PTGs)-low density lipoprotein(LDL)複合体が多く存在することが組織学的に知られており、lioproteinの沈着部位となっている可能性が考えられる。また、PTGs-LDL複合体はカルシウム等の二価イオンと結合することにより、非可溶性の構造物を形成すると考えられている。そこで、in votroの系を用いてPTGs-LDL複合体を作成し、lipoprotein及び二価イオンの及ぼす影響を測定した。PTGs-LDL複合体の測定にはChristner J.E.らの開発した96穴multi-well plateを用いた固相法を用いた。すなわち、wellにLDLをコートしnon-fat milkでブロッキング後、biotin化したウシ鼻軟骨由来proteoglycan monomerを加えPTGs-lipoprotein complexを作成した。この際very low density lipoprotein(VLDL),LDL,high density lipoprotein(HDL),lipoprotein(a)(Lp(a))を0〜100μg/mlになるように反応液に添加しwellにコートしたLDLと競合させた。洗浄後にwellに残ったPTGs-LDL complexをalkaline phosphatase-conjugated avidinで発色させ、415nmで吸光度を測定した。二価イオンの及ぼす影響の測定にはlipoproteinを添加せず、反応液にCaCl_2,MgCl_2,MnCl_2が0〜5mMになるように調整して、wellにコートしたLDLとproteoglycan monomerを反応させた。VLDL,LDL,HDL,Lp(a)は0〜100μg/mlで濃度依存性にPTGs-LDL complexを阻害した。阻害の程度に明らかな有意差は認めなかった。CaCl_2,MgCl_2,MnCl_2が0〜5mMで濃度依存性にPTGs-LDL complexを形成し5mMでほぼplateauに達した。形成の程度はMnCl_2>CaCl_2>MgCl_2の順で有意に高かった。上記の内容は第38回日本脈管学会で報告した。また同一内容は第17回国際高血圧学会にacceptされており発表の予定である。培養細胞を用いて石灰化の指標であるosteopontin,osteocalcinの蛋白発現がリン濃度が高いと強く発現される結果をた。目標とする遺伝子発現まではまだ、進んでいない。
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