1998 Fiscal Year Annual Research Report
小児アレルギー疾患において自律神経異常をきたす要因の解析
Project/Area Number |
09670851
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木野 稔 関西医科大学, 医学部, 講師 (30153159)
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Keywords | 小児アレルギー疾患 / 自律神経異常 / 起立性調節障害 |
Research Abstract |
自律神経症状を呈し起立性調節障害(OD)と診断された患児59名について、超音波検査を行い、下大静脈径の立位による狭小化率を測定した。下大静脈が50%以上狭小化したものを狭小化陽性とすると、59名中40名が陽性で陽性率は68%であった。OD59名についてアレルギー疾患の割合を調査した。気管支喘息、アレルギー性鼻炎をもつものは31%、アレルギー疾患の家族歴をもつものは22%であり、合わせると半数以上であった。一方、起立性蛋白尿のみをもつものが15%あったが、アレルギー疾患あるいは家族歴と起立性蛋白尿をもつものとの体格を比較した。年齢や性別の影響をなくすため%BMI(body mass index)で体格を比較すると、アレルギー疾患をもつものは平均97.5%と標準体型だが、起立性蛋白尿をもつものは87.6%と%BMIは有意にやせ型であった。以上から、アレルギー疾患患児が呈する自律神経異常は、体型による循環動態の異常によるものだけではない可能性が考えられた。 アレルギー疾患において自律神経異常をもつ割合を知るため、気管支喘息患児69名(男46名、女23名)に対して自律神経症状を呈する率をアンケート方式で調査した。患児の50%以上に発現したOD症状は、「朝起き不良」、「腹痛」、「疲れやすい」、「頭痛」、「乗り物酔い」であった。OD患児の症状陽性率とアレルギー疾患患児の症状陽性率を比較すると、アレルギー疾患患児のほうが陽性率力塙かった症状は、「腹痛」、「乗り物酔い」であり、循環器症状が少なかった。OD患児は一般的に女児に多いと言われているが、気管支喘息の男女比は男児に多く、ODに特徴的な循環器症状の陽性率が低かったと考えられた。
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