1997 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ糖とサイトカインが血管壁平滑筋細胞の増殖とアポトーシスに及ぼす効果--TNF、IL-1、PDGF、IFNとTGF-β--
Project/Area Number |
09671083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
榊原 文彦 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60273231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 正隆 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80214956)
近田 研 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60155299)
山之内 国男 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (60135366)
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Keywords | 平滑筋細胞 / 増殖 / アポトーシス / ブドウ糖 / インスリン / サイトカイン |
Research Abstract |
1.血管壁平滑筋細胞の増殖におよぼすグルコース、インスリンの効果;家兎の胸部大動脈平滑筋細胞を培養し、5.5mmol/L〜高濃度グルコース存在下でのインスリン増殖能におよぼす効果を、細胞数算定、^3H-チミジン取り込みを指標に検討した。高濃度のグルコースは、平滑筋細胞の増殖に有意な影響を示さなかった。インスリンは、平滑筋細胞の細胞数、^3H-チミジン取り込みを濃度依存性に増加させた。しかし、グルコース高濃度下でインスリンを作用させても、グルコース5.5mmol/L時と増殖能は変わらなかった。平成10年度は、平滑筋細胞の増殖能におよぼすグルコース、TNF、IL-1、PDGF、IFN-α、β、γ、TGF-βの各単独、ならびに相加・相乗作用を検討したい。 2.血管壁平滑筋細胞のアポトーシス誘導におよぼすグルコース、インスリンの効果;家兎の胸部大動脈平滑筋細胞を培養し、正常〜高濃度グルコース存在下でのアポトーシスの誘導におよぼすインスリン効果を、DNA蛍光染色所見とTUNEL法を用いた共焦点レーザー顕微鏡観察所見をもとに検討した。グルコース単独では、5.5〜30mmol/Lにおいても平滑筋細胞のアポトーシスの誘導に有意な影響を示さなかった。また、インスリンは、高濃度でもアポトーシスの誘導を増加させなかった。しかし、高濃度のグルコース存在下でのインスリンは、アポトーシスの誘導を増加させた。平成10年度は、各種グルコース濃度下での平滑筋細胞のアポトーシス誘導におよぼすTNF、IL-1、PDGF、IFN-α、βとγ、TGF-βの各単独、ならびに相加・相乗作用を検討したい。また、フローサイトメトリー(FACScan)を用いたアポトーシス関連細胞膜表面抗原、細胞膜表面糖鎖の解析、ならびにDNAアガロースゲル電気泳動法によるアポトーシスの定量的解析を行いたい。
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