1997 Fiscal Year Annual Research Report
HIVベクターを用いた変異ケモカイン遺伝子導入によるAIDSの遺伝子治療
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09671126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小原 健志 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90281211)
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Keywords | HIV-1 / MIP-1α / LD78 / ケモカイン |
Research Abstract |
MIP-1α/LD78,MIP-1β、RANTESなどのβ-ケモカインがマクロファージ好性HIV-1の抑制を行うことが報告されている。また、コレセプターであるCCR5の部分欠損が長期非進行者で認められることが報告されている。但し、この異常は日本人では見い出されていない。CCR3のポリモルフィズムでもHIV-1感染者の進行が遅れることが報告されている。さらにSDF-1のポリモルフィズムによりHIV-1感染症の進行度が異なる事が報告されている。このようにケモカイン及びケモカイン受容体のポリモルフィズムがHIV-1感染症の進行に重要な役割を担っていることが示唆されている。 本研究において、ケモカイン特にMIP-1α/LD78遺伝子(我々により1986年にヒトのLD78遺伝子として単離され、その後マウスのカウンターパートがMIP-1αとして1988年に単離された。)のHIV-1感染症の進行への影響を調べる目的で、以下の研究を行った。MIP-1α/LD78遺伝子は、サザンブロット解析の結果2-3個の遺伝子と思われていたが、本研究において、さらに詳細に検討したところ実際には10個以上の遺伝子からなる大きなファミリーを形成することがことが明かになった(MIP-1α/LD78 gene family)。しかも、これらの遺伝子の存在には個体差があり種々の欠損パターンが存在することが明かになった。これらのパターンを正常者50例、HIV-1感染者の長期非進行例11例、CD4数が200未満のHIV-1感染症例20例を解析したところ異なったパターンの傾向を持つことが明らかになった。このことは、MIP-1α/LD78遺伝子群の遺伝子型が病気の進行に重要な因子であることを示唆している。現在これらの遺伝子の機能解析を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T. Morikita, et al.: "The V1/V2 region of human immunodeficiency virus type 1 modulates the sensitibity of neutralization by soluble CD4 and cellular tropism." AIDS research and human retroviruses. 13. 1291-1299 (1997)
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[Publications] Fujii S. et al.: "Characterization of proviral DNA from an individual with long-term, nonprogressive infection with HIV-1 and nonrecoverable virus." J. of AIDS & Human Retrov.15. 247-256 (1997)