1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671182
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 裕明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60175411)
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Keywords | 尿毒症 / プロテアーゼ / 心肥大 / レニン / H9C2 |
Research Abstract |
目的 尿毒症に伴う心筋障害には血清中に存在する分子量23kd、等電点4.0-4.5の心筋抑制ポリペプチドが関与することが考えられている。この心筋抑制ペプチドの作用・機序について実験的腎不全ラットを用いて検討を行う。また培養心筋細胞を用い障害を誘発し得るかについて検討を行う 方法・結果 左腎2/3及び右腎を摘術し尿毒症期の慢性腎不全ラットを作成、16週後に血清を採取した。PRLCを用い、等電点4.3、分子量23kdの分画(Fraction 3)を精製した。 ラット培養心筋細胞(H9C2)に、 (1)Fraction 3およびアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEl,enalapril)添加群、(2)Fraction 3添加群、(3)コントロール群の各群に分けて7日間培養を行った。尿毒症ラットの血清から精製したFraction 3、のみ添加群では心筋細胞においてシステインプロテアーゼであるカテプシンB,H,L活性の低下がコントロール群と比べ有意に認められ、またコントロール群と比べ心筋細胞の有意な肥大が認められた。Fraction3およびACE1添加群ではコントロール群と比ベカテプシンB,H,L活性の有意な低下は認められず、心筋細胞の有意な肥大も認められなかった。 以上より、尿毒症ラットの血清中に存在する分子量23kd、等電点4.3の物質が尿毒症に伴う心肥大に関与していることと、この際に心プロテアーゼ活性の変化および、心レニン・アンギオテンシン系が関与することが確認された。
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