1997 Fiscal Year Annual Research Report
腎不全マウスモデルにおける動脈硬化とスカベンジャーリセプター発現との関連
Project/Area Number |
09671184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
安藤 稔 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20246474)
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Keywords | 腎不全 / 動脈硬化 / スカベンジャー・リセプター |
Research Abstract |
1.腎不全マウスモデルの確立とその動脈硬化病変 本来、動脈硬化抵抗性を呈するとされるげっ歯類の中でC5 7BL/J株は、高脂肪食負荷に反応して、最も動脈硬化を発症しやすいことが知られる。我々は、このマウス株に腎不全を導入することで,コントロールマウスに比べ、早期より動脈硬化が、発症してくるか否かについて検討した。腎不全は、5/6レムナントモデルに準じた方法で作製し、作成後12週間で解剖し、大動脈基部の粥状硬化の有無により評価した。常食下では、コントロール、腎不全マウスともに動脈硬化は、発症せず1.25%コレステロール食下では、腎不全マウス上記部位にごく軽度の粥状硬化を認めた。この事実は、尿毒症病態そのものが、粥状動脈硬化進展の機序に関わっていることの根拠になると思われる。 2.腎不全マウスの腹腔マクロファージにおける脂質レセプターの発現 動脈硬の初期病変(泡沫細胞の形成)にマクロファージのスカベンジャーレセプターが強く関与している可能性が、示されている。そこで我々は、腎不全マウスの腹腔マクロファージにおけるLDLレセプターとスカベンジャーレセプターの発現をコントロールマウスのものと比較し、腎不全病態におけるこれらレセプターの役割を検討した。 (1)遺伝子レベルでの発現 レセプター遺伝子の発現は、Northem blotにより評価された。腎不全モデルにおいては、LDLレセプター遺伝子発現は、低下していたが、とスカベンジャーレセプター遺伝子の発現は、逆に上昇していた。このことは、1で示された腎不全における動脈硬化の亢進にはLDLレセプターよりもスカベンジャーレセプターの発現が強く関与している可能性を示した。定量性を高めるため、マウスのN数を増やす予定である。 (2)蛋白レベルでの発現 現在検討中の項目である。
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