1998 Fiscal Year Annual Research Report
重症感染症におけるNOの細胞保護作用と障害作用の分岐点に関する研究
Project/Area Number |
09671265
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山上 和寿 関西医科大学, 医学部, 講師 (30210339)
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Keywords | 重症感染症 / NO / 細胞障害 / 細胞保護 / エンドトキシン |
Research Abstract |
前年度の研究においてNOがapoptosis発生制御に拘わっていることが判明した。しかし、NOはそれ自身、障害性を発揮するため、apoptosis発生制御と細胞障害性に関して検討した。 1) 200g前後の雄性Wistar系ラットにEndotoxin(ET)5mgを腹腔内投与し、8時間、16時間後にラットを犠死せしめ、既存の方法にしたがい遊離肝細胞を作成した。 2) 培養系にNO産生剤である2mM SNAP,8mM SNAP,14mM SNAPを添加し、ETの増感剤であるactinomycin D(0.5μg/ml)投与後のcell viabiltyを検討したところ、培養6時間後にはSNAP非添加群に比較して著明に抑制された細胞死亡率が、逆に14mM SNAP添加にて死亡率が亢進した。 3) 以前の研究にて活性酸素種はmitochondriaのpore openingをもたらし、apoptosisまたnecrosjsを発生することを確認していることから、14mM SNAP添加の際のmitochondriaのpore openingについて検討した。SNAP添加直後よりmitochondria膜の膨化が始まり、その後mitochondria内のCa^<2+>の流失、^<14>C-sucroseのmiitochondria内への流入、すなわちmitochondria inner membrane permeability transitionが発生した。 4) 2mM SNAPと14mM SNAP添加におけるmitochondria呼吸能に関して検討したところ、14mM SNAP添加にて呼吸能は有意に抑制された。 5) このinner membrane permeability transition発生もしくは呼吸能低下は鉄キレート剤、Ca^<2+>キレート剤では抑制されなかった。
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