1997 Fiscal Year Annual Research Report
重症感染症におけるNOの細胞保護作用と障害作用の分岐点に関する研究
Project/Area Number |
09671265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山上 和寿 関西医科大学, 医学部, 講師 (30210339)
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Keywords | Endotoxin / NO / 細胞保護 / アポトーシス / 活性酸素種 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
Endotoxin(ET)による障害性がNOにて抑制されるか否かに関して検討した。 1)200g前後の雄性Wistar系ラットにET 3mg,5mgを腹腔内投与し、8時間、16時間後にラットを犠死せしめ、既存の方法にしたがい遊離肝細胞を作成した。NOの影響を検討するため、ETと同時にL-NAME40mg/kgを腹腔内投与した群を作成した。 2)ETの増感剤であるactinomycin D(0.5μg/ml)投与後のcell viabilityを検討したところ、培養6時間後にはET群で68%が死亡し、ET+S-NAME群では89%が死亡した。 3)iNOS阻害剤にて死亡率が増加したことから、培養系にNO産生剤である2mM SNAPを添加したところ、著明に死亡率が抑制された。 4)その際のDNA-fragmentationについて検討したところ、L-NAME投与にてDNA-fragmentationは4倍に増加し、SNAP投与にてそのDNA-fragmentationは抑制された。 5)しかも、DNA-fragmentationはSNAPの変わりに投与した電子伝達系阻害剤であるrotenone,antimycin Aにて同様に抑制された。 6)dehidrorhodamine 123およびhydroethidineを用いて電子伝達系にて産生される活性酸素種に関して検討したところ、L-NAME投与にて活性酸素種は著明に増加した。この酸素種はSNAP,rotenone,antimycin Aにて抑制された。 以上より、現在、電子伝達系で産生される活性酸素がDNA-fragmentationに大きく関与し、NOが防御的役割を成していることが判明した。
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