1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を用いた腎移植における拒絶反応の非観血的迅速診断法の開発
Project/Area Number |
09671275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 講師 (40213673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織井 崇 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282048)
宮崎 修吉 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282075)
土井 秀之 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90188839)
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 助教授 (50101142)
里見 進 東北大学, 医学部, 教授 (00154120)
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Keywords | 末梢血キメリズム |
Research Abstract |
本研究計画のうち平成9年度分の項目、即ち腎移植患者の末梢血キメリズムの推移を追跡することで腎移植における拒絶反応の非観血的診断に役立てようとの目的で、腎移植後のキメリズムの解析を精力的に行ってきた。具体的には、男から女への腎移植症例22例(内訳;術前ドナー血輸血症例15例、HLA一致で術前ドナー血輸血無し3例、屍体腎移植症例4例)の末梢血キメリズムを10ヵ月にわたり経時的に追跡してきた。その結果、術前ドナー血輸血症例15例中12例に、HLA一致症例3例全例に、各々キメリズムの成立を認め、屍体腎症例では長期的キメリズムを認めなかった(屍体腎症例においても1年以内の短期的キメリズムの存在することは確認している)。長期的キメリズムを認めた計15例でその推移を10ヵ月追跡した結果は、HLA一致症例では消失の無い安定したキメリズムが続き、術前ドナー血輸血症例12例では消失、出現を繰り返す現象がみられた。このキメリズムの消失、出現に際してBUN.CR.をふくめ拒絶反応を示唆する臨床的所見は1例も無かった。以上の結論として、DST症例のキメリズムの消失、出現の推移が始めて明らかにされたわけであるが、拒絶反応と無関係における現象であることが判明した以上、この消失をもって拒絶反応を疑うという当初の計画には無理があると考えられた。一方で、拒絶反応時の尿中ドナー由来細胞の出現を解析しているが、延べ22検体の検索ではあるが今のところ80%の感度をみとめ、この研究の発展は移植腎拒絶反応の非観血的診断につながる希望がもてる状況であり、次年度はこの点に関し深く解析して行く予定である。
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