1997 Fiscal Year Annual Research Report
肺移植における抗T cell receptor Vβ抗体による免疫抑制療法
Project/Area Number |
09671383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
先山 正二 徳島大学, 医学部, 助手 (60291986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 弘之 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
近藤 和也 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10263815)
門田 康正 徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
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Keywords | 肺移植 / ラット / TCR / TCRV-beta / 免疫抑制 |
Research Abstract |
ラットを用いた同所性肺移植モデルの作成については手技的および拒絶反応の経時的再現性の点からはほぼ完成し得たと思われる。BN(RT1^n)からLEW(RT1^l)への左移植肺における、急性拒絶反応に伴う移植肺組織でのRT-PCR法によるTCRV-betaの発現は、検討した20種類のV-betaの中ではV-beta5とV-beta8の発現が強い。 サイクロスポリン(CsA)により免疫抑制を行うと、これらの発現増強は認められない。そこでこれらのV-betaに対する抗体の作成を試みた。TCRV-betaドメインのアミノ酸配列に基づき、抗原性の高いと思われる部分を選び合成ペプチドを作成した。これらを用いて家兎を免疫し抗体作成を試みているが、現在まで有効な抗体は作成できていない。問題点としては、免疫回数、アジュバントの併用、選択するアミノ酸配列部分の問題等が考えられる。そこで今後は、免疫動物としてマウスを用い(得られる血清量、ポリクロナール抗体量は少ないが)、有効な抗原性を有するアミノ酸配列部分の特定を継続して行いたいと考えている。また今回の研究に付随して次の現象が認められた。BN to LEN、LEW to BNの肺移植においては、免疫抑制をなんら施さない場合は、BN to LENの方が移植肺の拒絶反応が早く進行する。それに対し、短期間のCsA(25mg/kg,day2 and day3)投与により、BN to LEWでは移植片はほぼ無期限に生着するが、LEW to BNでは移植片は移植後2週間以内に拒絶されるという逆転現象が認められた。今我々が検討している免疫抑制療法においても、単独での効果と、CsAと併用による相加・相乗効果の検討に有用なモデルではないかと考えられる。従い、LEW to BNの組み合わせにおいても、浸潤リンパ球の内で増加するTCRV-betaを確認したい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tadashi Uyama: "Bronchus-associated lymphord tissue is targeted and damaged by recipient lymphocytes in ling-term-surviving rat lung allograft" Transplant Proc. vol.29. 2617-2618 (1997)
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[Publications] 宇山 正: "ラット肺移植" Organ Biology. vol.4(2). 37-41 (1997)