1998 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物初期胚におけるコレステロール輸送と膜機能に関する研究
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09671672
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
布留川 浩之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70293834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 洋一 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50115911)
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Keywords | マウス胚 / LDL / マクロファージ / 着床 |
Research Abstract |
透明帯除去後の8細胞期までのマウス胚を顕微鏡にて測定し、球体と考えた場合の胚あたり総細胞表面積(TA)、胚あたり総細胞体積(TV)を、未受精卵、受精卵、2細胞胚、4細胞胚、8細胞胚でそれぞれ求めた。次に培養液中にlow density lipoprotein(LDL)を添加し、胚培養を行ったところ、体外受精からLDL添加培養液中で発育した胚のblastocyst率は濃度依存性に低下したが、前核期に採卵した場合には抑制が見られず、blastocyst時期に採卵した胚のhatching後のoutgrowthは濃度依存性に有意に増加した。よって初期胚の細胞表面積は増加しているものの、細胞膜の構成成分である脂質の添加による発育促進効果はblastocyst時期以後に初めて見られるという結果が得られた。 次いでこの受精卵の細胞膜上のコレステロール値に影響を与える重要な因子の一つであるマクロファージの、マウス子宮内における変化を観察した。マウスマクロファージに特異的なモノクローナル抗体F4/80、BM8を用いて免疫組織科学を行った。その子宮単位面積あたりのマクロファージの絶対数および分布を定量的に求めたところ、子宮筋層にはほとんど存在せず、非妊娠時と交尾後1日目の子宮内膜内にびまん性に認めた。また着床後の5,7日目では脱落膜周囲および非着床部位にはわずかに存在し、脱落膜内にはほとんど認めなかったが、10,14日目では脱落膜周囲に多く認めた。このことからマクロファージは脱落膜が形成されるにしたがって、周辺から侵入してくると予想された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K Wakada: "Embryo-dependent induction of embryo receptivity of mouse endometrium" J.Repord.Fertil. (In press).
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[Publications] 山本 嘉昭: "不妊症患者におけるassisted reproductive technology(ART)適応時期の検討" 産婦人科の進歩. 49(2). 99-105 (1997)
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[Publications] 後藤 栄: "In vitro発生停止胚におけるミトコンドリアの挙動・構造とATP量" 産婦人科の進歩. 49(3). 180-192 (1997)
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[Publications] 林 嘉彦: "マウスにおける子宮内膜内微少環境修飾による着床率の改善" 産婦人科の進歩. 49(5). 516-527 (1997)
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[Publications] 石 紅: "In vitroマウス着床モデルによる脱落膜細胞・胚相互作用の解析" 産婦人科の進歩. 50(2). 180-194 (1998)
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[Publications] 山本 嘉昭: "マウス初期胚の細胞体積,表面積の変化と培養液中LDLが胚発生効率に及ぼす影響" 日本受精着床学会雑誌. 15. 183-185 (1998)