1998 Fiscal Year Annual Research Report
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09671786
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 京一 群馬大学, 医学部, 助手 (30261837)
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Keywords | フルオレセイン蛍光造影 / 内視鏡 / 網膜静脈閉塞症 / ルベオーシス / 眼サルコイドーシス / 加齢黄斑変性 / 網膜循環モニター / 脈絡毛細管板 |
Research Abstract |
前年度の増殖糖尿病網膜症を対象とした研究により内視鏡造影の基礎的データを集積した。 今年度は、そのデータを踏まえ、糖尿病以外の疾患に対し内視鏡によるフルオレセイン螢光造影を行った。 1. 網膜静脈閉塞症(1)子体出血のある網膜静脈閉塞症5眼に対し内視鏡造影を行った。術中に新生血管の有無、血管床閉塞の程度を客観的に把握でき、安全な手術および適切な光凝固を行うことができた。ほとんどの例で広範な血管床閉塞が最周辺部網膜まで及んでいることが明らかとなり、ルベオーシスの前段階である鋸状縁部の過蛍光が時に観察された。(2)嚢胞様黄斑浮腫のある4眼では、術中に血管透過性亢進の程度、黄斑浮腫の範囲を正確に同定でき、黄斑部の薄膜を除去することで、血管透過性が弱まることが検出された。 2. 葡萄膜炎では、ステロイドに抵抗する眼サルコイドーシス12眼を対象として内視鏡造影を行った。術中、嚢胞様黄斑浮腫が高率にみられること、周辺部で脈絡膜由来の漏出が見られることが判明した。硝子体手術でサイトカインや網膜牽引を十分に除去することで、術後徐々に漏出や黄斑浮腫が改善することが判明した。 3. 加齢黄斑変性10眼で、脈絡膜新生血管抜去の際に内視鏡造影を行った。術中に、新生血管を正確に同定でき、新生血管膜の残存を防ぐことが出来た。また、術中止血を目的として一過性に高眼圧環境を作るが、その際の網膜循環のモニターとしても内視鏡造影は有効であった。多くの例では網膜循環はほぼ正常に保たれるが、2眼で網膜への色素の流入が大きく遅延し、この2眼では、術中に脈絡毛細管板の小葉構造が観察された。 4. 糖尿病網膜症の再手術例2眼に対して、以前のポート部を狙い内視鏡造影を行った。今回の検索では、前部線維血管増生を示すような明らかな新生血管の発育は観察されなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahashi K: "Reperfusion of Occluded Capillary Beds in Diabetic Retinopathy" Am J Ophthalmol. Vol.126,No.6. 791-797 (1998)
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[Publications] 高橋京一: "ES Now illustrated血管新生緑内障" メジカルビュー, 24-29(5) (1998)