1997 Fiscal Year Annual Research Report
増殖性硝子体網膜症に関与する転写因子の解明とその制御による治療法の開発
Project/Area Number |
09671797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 政代 京都大学, 医学研究科, 助手 (80252443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万代 道子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80263086)
谷原 秀信 京都大学, 医学研究科, 講師 (60217148)
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
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Keywords | 増殖性硝子体網膜症 / NFkB転写因子 / E2F転写因子 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究の目的は増殖性硝子体網膜症の分子機構を転写因子の観点から明らかにするとともに、関連する転写因子の制御による増殖性硝子体網膜症の新しい治療法を開発することにある。 平成9年度の当該目標は、候補転写因子のうち、E2F転写因子・NFkB転写因子に関して、培養系での働きをデコイ法により抑制したとき、網膜色素上皮細胞の増殖・郵送・接着などの機能がどのように変化するかを検討し、各転写因子の機能的意義を明らかにすることである。 E2F転写因子の働きに関して以下の結果を得た。(1)増殖期培養網膜色素上皮細胞の核抽出液中に、E2Fコンセンサス領域を含む、二重鎖オリゴヌクレオチドと結合する因子が存在することを確認した。(2)増殖期培養細胞に転写が増加する細胞周期調節因子の発現がE2Fデコイの導入によって効果的に抑制されるが、非特異的デコイの導入では影響がないことをRT-PCR法によって確認した。(3)増殖能をBrdU labelling index,DNA合成量によって判定した。E2Fデコイの導入によって効果的に濃度依存的に抑制されるが、非特異的デコイの導入では影響がないことをによって確認した。また、NFkB転写因子に関して(1)IL-1b刺激によって培養網膜色素上皮細胞の核抽出液中に、NFkBデコイと結合する因子が誘導されることを確認した。(2)IL-1b刺激によって培養網膜色素上皮細胞中で、IL-1bの転写がさらに増加するが、NFkBデコイの導入によってその発現が効果的に抑制されるが、非特異的デコイの導入では影響がないことをRT-PCR法によって確認した。(3)培養細胞創傷治癒モデルにおいて、NFkBデコイの導入によってその治癒が効果的に抑制されるが、非特異的デコイの導入では影響がないことを確認した。上記の成果は、1997年Annual meeting of the association for research in vision and ophthalmologyにおいて報告した。 平成10年度においては生体内への遺伝子導入技術を用いて動物モデルにおける有効性・安全性を評価する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Okazaki: "A novel method for inhibiting proliferation of human RPE cells by supressing NFkB a transcription factor for cytokines" Invest Ophthalmolo Vis Sci. 38. S1133 (1997)
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[Publications] M Akimoto:"Inhibition of human Tenon's fibroblastic cell proliferation in vitro using synthetic oligonucleotides containing E2F cis element" :Invest Ophthalmolo Vis Sci:. 38. S1133 (1997)