1997 Fiscal Year Annual Research Report
Porphyromonas gingivalis産生ベジクルの病原性解析
Project/Area Number |
09671884
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
上西 秀則 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90084300)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜高家 尚子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50198800)
|
Keywords | 成人性歯周炎 / P.gingivalis / ベジクル / 病原因子 |
Research Abstract |
Porphyromonas gingivalis(以下P.gingivalis)は成人性歯周疾患の発症・進行の中心的な役割を果たしていることを示唆する免疫学、病理学的所見が多く報告されている。本研究はP.gingivalisが菌体外に産出するベジクルに着目し、その病的役割を明らかにすることを目的として行われるものである。 平成9年度は(1)P.gingivalisの培養環境とベジクル産生の関係、(2)電子顕微鏡によるベジクルの形態観察、(3)ベジクルによる培養細胞刺激について研究を進めた。 この結果、(1)について、ベジクルはP.gingivalisの菌株によって産生される量が異なること、すなわち標準的に用いられるP.gingivalis ATCC 33277株の産生量は少なく、逆にP.gingivalis w83株は大量に産生することが明らかにされた。また、培養環境中に血液成分が存在すると、両菌株ともにベジクルの産生は極端に少なくなることが明らかとなった。これらの成績は(2)の電子顕微鏡観察により得られたものである。また、観察の結果、ベジクルは一層の外膜で囲まれた直径30から500nmの粒子状構造物として存在し、その表面はLPSと思われる微細な線維構造で覆われていることも今回明らかにされた。さらに(3)においては培養線維芽細胞にIL-1β、IL-6、TNFα、Type-1 collagenase等のmRNAを発現させることも明らかにされ、現在詳細な機序について解析中である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 長 環, 他: "Candida albicansの形態分化における分子生物学的アプローチ" 日本医真菌学会誌. 38. 285-290 (1997)
-
[Publications] 山口 理衣, 他: "小児歯科臨床における強電解酸性水の応用に関する研究" 小児歯科学会. 35・4. 638-642 (1997)
-
[Publications] 廣田 健, 他: "Porphyromonas gingivalis proteinase の細胞毒性" 医学と生物学. 132・4. 201-204 (1996)
-
[Publications] 廣田 健, 他: "歯垢からのsiderophore産生菌検出" 福岡歯科大学学会誌. 220・3. 439-444 (1995)
-
[Publications] Kamisishi,H. 他: "Degradation of Humoral Host Defense by Candida albicans proteinase" Infection and Immunity. 63・3. 984-988 (1995)
-
[Publications] Kamisishi,H. 他: "Acrivation of blood clotting factors by microbial proteinases" FEMS Microbiology letters. 121. 327-332 (1994)
-
[Publications] Kamisishi,H. 他: "Recentprogress on Kinis,part II" Bonner,G.,Fritz,H.,Schoenlkens.,B.and Dietze,G., 492(362-369) (1992)
-
[Publications] Tamaki,Cho. 他: "Fungal Cells in Biodefense Mechanism" Suzuki,S.and Suzuki,M., 317(41-45) (1997)