Porphyromonas gingivalis 産生ベジクルの病原性解析

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09671884
• Research Institution: Fukuoka Dental College
• Principal Investigator: 上西 秀則 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90084300)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 浜高家 尚子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50198800)
• Keywords: P.gingivalis / ベジクル / 病原因子 / 微生物学

Research Abstract

Porphyromonas gingivalis(以下P.gingivalis)が菌体外に放出するベジクルの病原作用を解析することを目的として昨年度に引き続き研究を継続している。この研究過程でP.gingivalisの培養条件や菌株の違いによって菌体外に放出されるベジクルの量に大きな差があることを見い出した。特に血液が存在する環境では菌株の差にかかわりなくベジクルは殆ど産生されないことである。この現象はin vitroでのみ観察されるのか、あるいは歯周疾患の病巣局所でも起こっているのか不明である。
本年度はベジクルが引き金となって細胞間におけるサイトカイン伝達がなされるのかを調べるための実験系の設定を行った。ベジクルはヒト線維芽細胞に対して明らかに炎症性サイトカイン(IL-1βおよびTNFα)の発現を誘導することはすでに確認しているが、ベジクルの刺激を受け遺伝子発現が誘導される状態の細胞をチャンバーカルチャーの底面にて培養し、メンプランを介して上段に未刺激細胞を培養し、この細胞からIL-1βあるいはTNFα刺激によって2次的にIL-8あるいはNO等の炎症関連因子が誘導されるのかを調べた。この結果、上段に培養する細胞が線維芽細胞を用いた場合、IL-8やNO等の2次的な炎症関連因子の発現は極めて微量かあるいは発現が確認できなかった。現在、上段で培養する細胞の種類を変えて(リンパ球および血管内皮細胞)再検討を行っている。

Research Products

• [Publications] 山口理衣他: "小児歯科臨床における強電解酸性水の応用に関する研究" 小児歯科学会雑誌. 35・4. 638-642 (1997)
• [Publications] 長 環他: "Candida albicans の形態分化における分子生物学的アプローチ" 日本医真菌学会雑誌. 38. 285-290 (1997)
• [Publications] 翁 淳仁他: "食塩無添加強酸性水の臨床上の問題点" 福岡歯科大学学会誌. 24. 339-349 (1997)
• [Publications] Tamaki,Cho.他: "Fungal Cells in Biodefense Mechanism(P.41-45)" Suzuki,S.and Suzuki,M., 317 (1997)