1998 Fiscal Year Annual Research Report
簡便DNAプローブ法により検索した歯周病原性細菌の存在と病型との関連性の検索
Project/Area Number |
09671965
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 潤一 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30287180)
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Keywords | 簡便DNAプローブ法 / Porphyromonas gingivalis / Actinobacillus actinomycetemcomitans / 歯周病関連細菌 / 迅速診断 / 歯周初期治療 |
Research Abstract |
我々は,P.gingivalisが成人性歯周炎のポケット内,また再発や難治性のポケット内から高頻度に検出されること,A.actinomycetemcomitanceは若年性歯周炎のみならず,成人性歯周炎患者からも25-30%に検出されることを培養法により確認した.しかし,培養法は時間的,経済的な問題から,多くの患者や部位を検索することが困難である.臨床細菌学的に,歯周炎の発症,病態をとらえるためにはより簡便で再現性が高く迅速に特定細菌を検出できる方法が望まれる.そこで我々は.DNAプローブ法に注目した.従来のDNAプローブ法は.結果を得るまでに1-2日という時間を必要としていた.しかし我々は,チェアーサイドで行うことを目標とし,ハイブリダイゼーションおよび洗浄を行う際に可及的に高温層を使用しないで行うように工夫をした.100℃加熱DNAプローブを試料DNAと直接10分間反応させ,温度が自然に下降しアニーリングするようにした.また75℃0.2%SSC/0.1%SDSで洗浄効率を高めた.操作は,24 well plate上で約2時間で終了した. 作製したDNAプローブの特異性を検索した.P.gingivalis DNAプローブはPgingivalis 7菌株全てに反応し,供試した他の細菌とは反応しなかった.A.actinomycetemcomitance DNAプローブは,供試した全て簿血清型のA.actinomycemcomitanceと反応し,他の細菌とは反応しなかった.検出限界は総菌数10^4個/試料であった. 以上の結果から,本簡便DNAプローブは,特異性,検出限界において,従来の方法と同等の細菌学的検索が出来ることが明らかとなった.今後,本簡便DNAプローブを臨床応用し,迅速診断.歯周療法の選択.細菌学的な治療効果の判定として,有効であるか検索する予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Junichi Takahashi,Atsushi Saito,Taneaki Nakagawa,Satoru Yamada,Kazuyuki Ishihara and Atsugi Okuda: "Dynamics of Serum Immunoglobulin G Avidity for Porphyromonas gingivalis in adult Periodontitis" Journal of Periodontology. 69・3. 367-373 (1998)
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[Publications] 高橋潤一: "Porphyromonas gingivalisに対する成人性歯周炎患者血清中のIgGアビディティについて" 日本歯周病学会誌. 38・3. 261-271 (1996)
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[Publications] 中川種昭,齋藤 淳, 高橋潤一,小宮明代,穂坂康明,山田 了,奥田克爾: "Evalusite Periodontal Testの歯周病関連性細菌の検出能について" 日本歯周病学会誌. 37・2. 312-316 (1995)