1997 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガスレーザー照射とハイドロキシアパタイトを用いた象牙質の新裏層法に関する研究
Project/Area Number |
09671974
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
五味 明良 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30192074)
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Keywords | 炭酸ガスレーザー / ハイドロキシアパタイト / 象牙質 / 裏層 |
Research Abstract |
以前より、象牙質に炭酸ガスレーザーを照射することにより、レーザー照射に伴って生じる蒸散層、炭化層の直下に健康象牙質よりも硬さの高い層が出現し、この層は耐酸性にも優れた層であることを確認してきている。 本研究の平成9年度では、顕微フーリエ変換赤外分光分析装置(日本電子社JIR-Diamond20)ならびに走査型電子顕微鏡を用いてこの層はCaとPの高濃度帯であることを再確認し、構造的には象牙細管を封鎖する構造物が存在する層であることも再確認した。 つぎに、この現象をより積極的に応用するため、合成したハイドロキシアパタイトペーストを、天然抜去歯の象牙質部に塗布し、その上からCO2 Laserを各種条件にて照射し、天然抜去歯の象牙質の形態的変化について検討を行った。その結果、CO2 Laserの照射により、ハイドロキシアパタイトの合成純度やCO2 Laserの照射条件によっては象牙質の構造に対して、象牙細管の封鎖を起こすような形態的変化を生じることを確認した。これにより、う蝕除去後の象牙質面、窩洞形成後の窩底象牙質あるいは象牙質知覚過敏症の過敏部にハイドロキシアパタイトペーストを置き、その上から炭酸ガスレーザーを照射することにより、象牙細管の封鎖を行う、いわゆる裏層効果を及ぼす可能性を見いだした。今後は、平成10年度の計画として、この裏層効果を基礎的にも検討し、臨床的にも確認していく所存である。
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