1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671977
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
田村 尚治 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (30113129)
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Keywords | Er:YAGレーザー / 辺縁漏洩 / メルコックス・ローダミン法 / コンポジットレジン / トンネル窩洞 |
Research Abstract |
隣接面初期融蝕を想定し,ヒト上顎,下顎小臼歯の隣接面に接触点下0.71mmにカーバイトバー#1557で歯軸と垂直方向に1mm、咬合面三角溝より,頬舌的に2mm拡大,次いで隣接面に向かって45度で形成し連続させた。#2のスチールバーで窩洞を仕上げ,咬合面はダイヤモンドポイントF215でべベルを形成しトンネル窩洞とした。特にDE境に沿ってEr:YAGレーザーを10pps,101mJの条件でコンタクトチップ(FTB-P60)を使用し,10秒照射し,隣接面壁には,直角に照射出来る特殊コンタクトチップを使用し同条件で,各辺を10秒照射しレーザー窩洞とした。今まで研究して辺縁漏洩が見られるインバーバボンド・ライトフィルと辺縁漏洩が見られなかったワンオールを,レーザー窩洞には酸処理の有無について,SuperMatによる隔壁を使用し,充填条件は各メーカーの指示に従った。生食水中に1日浸積後ダイヤモンドポイントF215で研磨し,4〜60度,各1分のサーマルサイクリング2000回後メルコックス・ローダミン法による辺縁漏洩試験を行った。 結果は次のとうりで, 1. 多くの試料で辺縁隆線部にき裂が見られた。形成時にも発生するので,カーバイトバーよりダイヤモンドポイントの使用が望まれる。 2. き裂が見られた試料でも,修復,研磨操作中に辺縁隆線部の崩壊が見られた試料は1例もなかった。またき裂からの辺縁漏洩が一部に見られたが,修復物本体には及んでいなかった。 3. 咬合面から辺縁漏洩が見られなかったことから,咬合面のべベルは辺縁漏洩に有効であった。 4. 今までの試験で辺縁漏洩が見られなかったワンオールの修復でも辺縁漏洩が見られ,辺縁漏洩はエナメル質の隣接面歯頚部より起こることがわかった。 5. Er:YAGレーザー使用窩洞にたいする辺縁漏洩は酸処理にかかわらず成績は不良で,レーザーの使用は,辺縁漏洩を増す危険性がある。
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