1998 Fiscal Year Final Research Report Summary
チタン製部分床義歯が口腔衛生状態と歯周組織に与える影響に関する臨床実験的研究
Project/Area Number |
09671979
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中北 芳伸 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20155691)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Keywords | チタン / コバルトクロム / 部分床義歯 / プラーク付着 / 口腔清掃 |
Research Abstract |
本研究は,生体親和性がよいといわれるチタンを使用する義歯が,プラーク付着およびそれに起因する床下粘膜の炎症,歯周疾患等に与える影響を,コバルトクロム合金床の場合と比較確認するために行った。 実験1として,純チタンとコバルトクロム合金の2種の材質で,上顎の鋳造パラタルストラップ床を各1組作製した。口腔内に装着後プラーク付着について記録し,比較検討した。その結果,支台歯のプラーク付着および大連絡子におけるプラーク付着は,両材料間にほとんど差はなくプラークの除去に関しても,超音波洗浄などの義歯の清掃法で十分効果があり,チタンの表面性状や生体適合性がプラーク付着には影響を及ばさないことが示唆された. 実験2では,2種の材質のプレートを組み込んだオーバーレイデンチャーを患者に装着し,支台歯の歯周組織の状態を観察したところ,歯周組織の状態に有意差は認めなかった.同時に義歯床粘膜面,研磨面にメタルプレートを想定したこの2種の鋳造体を組み込み,各々3か月経過観察を行ったところ,両材料とも付着物は肉眼的にほとんど観察されず,走査電子顕微鏡観察においても,付着物の量に大きな差を認めなかった. 以上のことより,実験1同様に両材料間に大きな差はみられず,支台歯および粘膜の健康を維持するには、アレルギー等の問題を除外すれば,金属の材質そのものより他の要素が大きいと思われる。
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