1998 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の咀嚼・咬合力の減弱に及ぼす諸要因に関する研究
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09672132
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Research Institution | Asikaga Junior College |
Principal Investigator |
川島 佳千子 足利短期大学, その他部局等, 教授 (50258844)
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Keywords | 幼児の咀嚼機能 / 咬合圧測定 / 空腹感 / 楽しく食べる / 直接的主要因子 / 育成過程因子 / 周辺環境因子 |
Research Abstract |
戦後の食生活改善はめざましく、今や軟食化を招き、幼児め成長に異変とも見える現象が歯科保健的視点から呼ばれている。 咀嚼・咬合力の減弱傾向が示されてから久しく、著者はその成因探求に要素を拡大して要因分析および関連性を解明することを目的に研究を継続した。 今回は要素(変数)を20項目に増加し、幼児の日常食生活習慣から気になる摂食状況背景も増加して解析し、咬合圧測定値との関連性を検討した。 結果、要因分析から直接的主要因子(口に残る、口に溜まる、口から出す、時間がかかる、疲れる)周辺環境因子(流し食、丸のみ、歯列矯正、外的条件として:腹すき、楽食)成育過程因子(栄養哺乳方法、乳歯萌出、離乳食開始)の3因子に集約され、これらの因子が幼児各期に影響を及ぼしていることが示唆された。 特に、食生活習慣の大半は平常であるが、現代社会の余波にテレビ鑑賞の影響、ディナー食の1人食事等の家庭状況、摂食前提条件である空腹感、楽しく食べることの無体験児の存在が表面化した。 咬合圧測定値と3因子の関連性では4歳、5歳児に「口に残る」「乳歯萌出」に、先行調査でも「口に残る」「口から出す」に関連性を示し、これらは幼児の発達途上に深い関係を示唆した。乳歯萌出との関連はその後の食事摂取に大きな影響を示し、直房哺乳が咀嚼に必要な筋肉のトレイニングであることが証である。口から出すとの関係は噛む圧力との関係であり、固形物が噛めないことは咀嚼もできないに繋がると云える。 また、両毛地区の特性として、この地区は東京近郊にあり、幼児の成育環境空間では適応しているものの摂食環境では都会化と贅沢が一際目立った。しかし、市町村各地域差は見られなかった。むしろ、東京児には空腹感、楽しく食べるところは存在した。これらは人間本来の食文化のあり方、および人的環境として関わる地域の支援者の再認識を問われる示唆である。 今回は咀嚼・咬合の異常者出現率は米国に比べ、5歳児に多く、6歳児には減少していた。なお、今後の研究課題には健やかな咬合力を備えた子どもの発育を促すために口腔保健活動、の一試案に「噛み噛み運動」を付記した。これらの実証的検討を行うことは意義探く重要な研究課題としている。
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