1997 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能改善を目標としたピロリジノン誘導体の合成研究
Project/Area Number |
09672288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
長坂 達夫 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90057331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 弘人 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (50246675)
小杉 義幸 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (00120147)
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Keywords | 脳機能 / 痴呆 / アニラセタム / ラクタム / _L-ピログルタミン酸 / _2-ピロリジノン / 受動的回避反応 |
Research Abstract |
脳機能作用薬の創製を目的に、リ-ド化合物の探索研究を行なった。 市販の合成抗痴呆薬(脳機能改善薬)であるアニラセタムを参考にして、(2R,5S)-2-aryl-1-aza-3-oxabicyclo[3.3.0]octan-8-oneの各種誘導体の合成をドラッグデザインした。本品はアニラセタムの全ての原子配置を含み、しかも立体的に固定された構造を持つ。本品の骨格を_L-ピログルタミン酸を原料として合成した。これに適当なbaseの存在下、各種求電子剤を反応させる方法により誘導体を合成した。本年度は、上記化合物のベンゼン環に置換基をもつ誘導体7個、5位に置換基をもつ誘導体11個、7位に置換基をもつ誘導体18個、6位と7位に置換基をもつ誘導体2個、および加水分解によって得た2-ピロリジノン誘導体多数を合成した。特に、不飽和結合を持つ(2R,5S)-2-aryl-1-aza-3-oxabicyclo[3.3.0]oct-6-en-8-one誘導体は各種ピロリジノン誘導体の合成に多目的に使用できることがこの研究で明かとなった。これらの研究成果は、上記化合物群の合成手段に新しい知見を与えている。 ついで、合成した化合物について、マウスを用いた行動薬理学実験(受動的回避反応)を行ない、活性を検討した。その結果、数種の化合物は顕著な活性を示した。その活性は市販されている抗痴呆薬アニラセタムと同程度の活性があり、この化合物群が新しい骨格をもつリ-ド化合物になる可能性が示唆された。 次年度は、(2R,5S)-2-aryl-1-aza-3-oxabicyclo[3.3.0]oct-6-en-8-oneを用いて1,3-双極子環状付加反応を検討し、さらに薬理作用の高い有用物質の合成を目指したいと考えている。
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Research Products
(1 results)