1997 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアにおける医療事故の把握と訪問看護婦の注意義務についての分析
Project/Area Number |
09672399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石井 トク 広島大学, 医学部, 教授 (10151325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恭子 広島大学, 医学部, 助手 (00263674)
甲斐 克則 広島大学, 法学部, 教授 (80233641)
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Keywords | 在宅ケア / 訪問看護 / 医療事故 / 訪問看護婦の責任 |
Research Abstract |
文献研究:在宅ケアにおける訪問看護と在宅ケアに関する文献を欧米とわが国について検索・検討した。欧米の文献からは具体的な在宅ケアに関する医療事故研究は皆無であったが、医療経済・医療体制を視座にいれた検討の示唆を得た。また、理論組み立てに参考となる文献を幾つか見いだすことができた。 在宅ケア医療事故に関する情報収集 1 広島県における訪問看護ステーションの実態調査:広島県内の訪問看護ステーションを視察し、訪問看護の実態と医療事故に関する情報から次の問題点を明らかにした。 (1)訪問看護婦が行う在宅ケアの内容は、看護ケアから医療行為などその範囲は広い。 (2)現行法では医師の処方によって看護が提供されているが、実態は高度な知識と判断力、さらに技術が要求されることが多い。 (3)管理者らは医療事故に関する関心は非常に高いが、なかには実態の把握に拒否的な態度、隠蔽的な態度を示すものがあり、医療従事者としての責務教育と、管理者の質的評価が重要である。 2 医療事故傷害保険会社の情報(三井海上火災保険):情報提供は次の数件に過ぎなかった。 (1)物品の損害(ガラス戸の破損・水道元栓占め忘れによる家屋の汚染など) (2)患者の侵襲(大腿部頚部骨折:車イスからベット異動時における患者の転落) 以上の調査・実態の把握を考慮し調査票を作成した。在宅ケアに関する事故は、患者に多大な侵襲を与えない限り浮上して来ない。特にケアレスミスの全貌をつかむことは至難の技である。本研究の目的である在宅ケアの質と訪問看護婦の責任、さらに、システム上の問題も提起したい。
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