1998 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータによる個性化に対応した衣服パターンの設計システムの開発(その2)成人女子の3次元胴部体表面の曲率から密着衣服原型の曲率への変化からみた立体裁断的衣服設パターン自動作成
Project/Area Number |
09680018
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 助教授 (60132437)
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Keywords | 体表曲面形状 / ガウスの曲率 / 測地的曲率 / 平均曲率 / 体型分類 / 密着衣パターン / 凸包 / 空隙寸法 |
Research Abstract |
1. 成人女子29名の右側胴部石膏体を作成し,既成の174名と併せた203名の石膏体体表面の基準点181の座標値を3次元デジタイザで計測した。右側胴部座標を鏡面写像して左側胴部座標値を算出し全身の座標値を求めた。 2. 体形を数量的に抽出するため,各点の点集中のガウスの曲率,測地的曲率,平均曲率を角度で算出,さらに点周りの面の各曲率をその面積で割って算出した。この分布曲率では面積の大小による影響が大きいため,さらに各分布曲率に領域別の面積をかけたものを分布領域別曲率として算出した。点集中のガウスの曲率と測地的曲率,点集中のガウスの曲率と平均曲率,点分布のガウスの曲率と平均曲率,点分布領域別のガウスの曲率と平均曲率の4種類の組み合わせで領域別の曲面形状の特徴を主成分分析をして体型分類をした。体表面の各曲率(平均曲率とガウスの曲率の組み合わでは8種類の曲面形状を抽出)を画像上に色表示および境界線の展開図形状を自動作成し,体型の特徴を捉えた。これらの体型の量的把握と人間の視覚的体型把握との一致も検討した。 3. 203名の全身を覆う凸点を凸包により算出,凹点は凸点構成面に垂直写像して各被験者の点数を揃えて密着包衣とし,既述の各曲率を求め体表面曲率との比較によりその特徴を抽出,体表面と密着包衣の空隙量を体積で求めた。各曲率と空隙量を画像上に色表示し,境界線の展開図形状を自動作成して密着包衣の特徴を捉えた。密着包衣の3角形面を2次元上で自動的に展開して密着包衣パターンを作成したが,個々の体形は複雑なためさらに面を単純化するなど検討の余地があった。 4. 石膏体に立体裁断して密着衣服原型を作成し,ダーツの角度をガウスの曲率と境界線の合計角度での測地的曲率を求めているが,現在203名全員のデータが揃っていないため密着衣の曲率の特徴抽出までには至っていない。しかし,密着衣の基準線の空隙寸法(密着衣寸法一人体寸法,ダーツ含む)から密着衣の長さによる曲率の特徴は抽出し,体表面の基準線の長さの幾何学的関係から理論的に体表面曲率により表出する空隙寸法を含む密着衣寸法を予測する式を導き,別の被験者で密着衣服原型の着用実験を行った。理論による予測精度は非常に良好だったので,これによる製図方法をプログラム化して個々の立体裁断的・密着衣服原型の自動作成を可能とした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 増田智恵,今岡春樹: "後胴部体表面展開図の間隙寸法の予測" 日本繊維製品消費科学会誌. 39. 648-658 (1998)
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[Publications] T.Masuda,H.Imaoka: "3D Torso Surface Curvatures as it Relates to Clothing Design" Sen'i Gakkaishi. 54. 299-308 (1998)
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[Publications] 増田智恵,今岡春樹: "立体裁断的による前胴部密着衣服原型の空隙寸法の予測" 日本繊維製品消費科学会誌. 39. 46-57 (1998)