1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680039
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
島崎 恒蔵 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50060695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松梨 久仁子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (20184244)
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Keywords | キルティング / 中綿 / 縫製 / 快適性 / 保温性 / 透湿性 / 通気性 |
Research Abstract |
本研究はキルティング布の性質として重要な位置を占める快適性に着目し、キルティング布の構成因子と快適性に関わる保温性、通気性、透湿性との関係を検討し、併せてTH-PERMEABILITY TESTERによる測定結果も利用して、キルティング布の設計法を構築するための基礎的知見を得ることを目的としている。 実験は、外生地として性状の異なる3種の織物と、中綿としてはポリエステルの中綿用不織布マットを使用した。試料は中綿の重ね枚数、ステッチ線の間隔を変えて、各種のキルティング試料を製作した。これらの試料を使用して、従来法に基づき保温性、通気性、透湿性を評価し、さらにTH-PERMEABILITY TESTERを用いて熱・水分の共存条件下における熱・水分の透過特性を測定した。 ASTM法(恒温法)によるキルティング布の保温率は中綿枚数、ステッチ線間隔の増加よって増大する傾向をもつが、カップ法による透湿率は保温率とは逆の傾向となった。しかしキルティング布の保温率と透湿率のいずれの場合も、構成した布の平均厚さを用いて整理できた。一方、キルティング布の通気量は、その充填率によって比較的きれいに整理できたが、常に透湿性と同傾向をもつわけではない。また保温性と異なり、透湿性と通気性は外生地の影響を強く受ける。TH-PERMEABILITY TESTERによる測定結果は、従来法による保温性、透湿性の測定結果と傾向は同様であったが、測定値にかなりのギャップを生じていた。これはこの測定法が潜熟を含めて評価するためと考えられるが、この場合も保温率、透過水分量に関しては平均厚さを用いてまとめることができた。以上の結果を利用すれば、キルティング布を製作する場合の条件設定に際して、有効な知見を得ることができるが、ここではその具体的考え方についても示した。
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