1997 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀までの人間を中心とした発生と死の論理及び発生と死をめぐる実践的問題の研究
Project/Area Number |
09680071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小松 真理子 帝京大学, 理工学部, 講師 (00215394)
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Keywords | 科学技術史 / 中性ルネサンス科学史 / 中性ルネサンス医学史 / 発生理論 / 産婦人科学 / 産婆術 / 生殖 / 死 |
Research Abstract |
資料収集活動は平成9年度は今までの中で最も活発におこなった。資金に余裕ができ、しばしば資料のマイクロフィルムを取り寄せたり、製本に出したりしたことや、研究補佐者(print out作業の補助を担当)を多少なりとも得たおかげである。発生理論方面の一次資料、とくに15・16世紀に出た刊本のマイクロフィルムの収集とそのprint out及び製本の作業能率が上がり、産婆術書・産婦人科学書・解剖学書・外科学書などの稀少本の複製が徐々に集まりつつある。 執筆活動は思うようにはなかなかはかどらないが、死の方面では、「死にまつわる栃木点描から」と題して地元栃木県に足場を据えて死生観や死の民俗をたどってみた。これが6人共著の本『とちぎ解剖学』(下野新聞社)に収録され、1997年6月刊行された。また1996年12月には、脳死・臓器移植問題に触発されて書いた「現代の医療の生と死への介入と日本人の死生観」なる論文も『帝京大学理工学部研究紀要(社会篇)』5:1-21に収録され、一足先に刊行されている。発生・生殖方面では、プラトンの発生・生殖理論をも探らんとして、プラトンを気にしていたが、哲人教育に男女の差別は無用との論(女性観の一種)と優生思想との絡みの方が前面に出てしまい、生殖理論は背景にうっすら出て来るだけの論文「プラトンの女子教育論と優生思想」となった。また、産婆を含む女性医療家の歴史についての二つの書物の書評、「B・エーレンライク/D・イングリシュ『魔女・産婆・看護婦』、J・アクターバーク『癒しの女性史』」を『化学史研究』24(1997):171-173に掲載した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小松 真理子: "「プラトンの女子教育論と優性思想」" 帝京大学文学部紀要教育学. 22. 163-178 (1997)
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[Publications] 的場哲朗・小松真理子ほか4名: "とちぎ解剖学" 下野新聞社, 236 (1997)