1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小堀 かおる 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10209190)
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Keywords | 骨格筋 / 運動 / タンパク質 |
Research Abstract |
筋収縮において骨格筋の成長・肥大・タイプ変換に影響を及ぼすと推察される"機械的刺激"のうち、「張力発生を伴わない筋の長さ変化」に着目し、収縮による筋の「動き」が骨格筋に及ぼす影響を検討するためのモデルを開発し、妥当性を検討した。 筋細胞内に「動き」を受容する機構があるかどうかを調べるため、培養細胞に強制的な動き(=張力の発生を伴わない受動的な伸縮)を負荷し、細胞の構成タンパク質の分析を行った。 培養細胞の運動装置として、湿気・耐熱にすぐれたモータを備え常に正確に作動する細胞テーブル移動装置を開発した。ラット新生児の体肢を破断・懸濁し、培養用の細胞を抽出した。加熱滅菌した装置にシリコン膜ディッシュを伸展させて張り、中央部に筋芽細胞、膜周辺部に線維芽細胞をまき、栄養培地で満たしてインキュベータ内に設置し培養した。細胞を観察しながら培地を変換して分化を促進させ、4日後に筋管が形成された時点で伸縮運動を開始した。伸縮運動は、全長の2%の短縮およびその引戻しを1サイクル/5秒で行い、6時間の運動ごとに3時間の休息をはさんだ。対照となる培養群には同期間運動を加えず静置培養した。培養開始後8日で培養・運動を完了し、細胞を回収して分析を行った。 細胞はシリコン膜上から回収して、SDS-PAGEにより筋蛋白質組成の変化の検討および蛋白分子量の測定を行った。伸縮運動を負荷した細胞では3/10例で分子量約60kDaの蛋白質がわずかに増大した。また、O'Farrell (1975)の方法により2次元泳動を行った結果、この蛋白質はほぼpI=4.5をもつ単一のものであることが分かった。
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