1997 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方における地域伝統芸能の表現技法の伝承と再開発
Project/Area Number |
09680094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
本田 郁子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (90165605)
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Keywords | 東北地方 / 地域伝統芸能 / 身体表現技法 / 伝統の再開発 / 現代化 / 国際化 / 感性情報 / 舞踊学 |
Research Abstract |
本研究は、東北地方の地域伝統芸能を対象に、地域伝統芸能の表現技法の伝承とその再開発の問題に着目し、現代と将来にいきる地域伝統芸能の再開発の方向性を検討することを目的とし、本年度は各県ごとの現状把握のサーベイと、いくつかの事例についての実態調査を中心に研究をすすめた。 1 文献調査、有識者へのヒアリング、現地調査の結果から、東北地方は地域伝統芸能の宝庫であり、有名無名にかかわらず、現代化・国際化にむけてのすぐれた素材となりうる芸能が多数所在していることがあきらかになった。 2 秋田県の「飾山囃子」、山形県の「渡前獅子踊」、宮城県の「はねこ踊」、福島県の「南須釜念仏踊」を主な対象とし、現地調査による伝承の実態を把握するとともに、8月から11月まで仙台駅でおこなわれた『みちのくエキコン』のための再開発の過程とその上演を記録・検討した。その結果、いずれの芸能もすぐれた表現性をもつ芸能であり、伝統をふまえた再開発の有効性が示唆された。 3 上記2における身体技法の開発・強化にあたっては、感性情報論および舞踊学的視点から検討をくわえ、上演のための全体構成、舞踊動作の構成上の検討、上演空間にそくした舞踊演出、伝承の過程で曖昧になってしまった動作・所作の掘り起こし、観客も参加可能な上演形態の工夫など、具体的方策の有効性と課題があきらかになった。
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