1998 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツチームの心理的コンディショニングプログラム作成の試み-指導者とプレイヤーとのコミュニケーションを中心として-
Project/Area Number |
09680134
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Research Institution | Nagoya Keizai University |
Principal Investigator |
吉澤 洋二 名古屋経済大学, 経済学部, 助教授 (50167730)
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Keywords | スポーツチーム / 心理的コンディショニング / チームのコミュニケーション / コーチの行動 / プレイヤーの行動 / ビデオのコンピュータ編集 |
Research Abstract |
【目的】 スポーツチームの心理的コンディショニングプログラムの開発を目指して,特にプレイヤーの競技意欲を高めるような指導者のかかわり方,プレイヤーの行動のとりかたを提示できるような,行動分析,ならびにプレゼンテーションプログラムの作成を試みることが,主な目的である.プレゼンテーションは,できる限りルーティン化できるような内容とすること,さらに視覚的に情報を提供できるようにすることをねらいとして研究を進めた. 【結果】 指導者にマイクを装着し,競技中の行動とあわせて言葉も記録した.プレイヤーは行動のみを記録した.これらの記録からまず時系列的に行動や言動を記述用紙に記録した.この行動記述では,これをもとに,指導者と検討を繰り返し,実践の指導場面に応用できる資料提示を心がけた. 本研究で対象にした卓球は,サービスからゲームが展開されることから,セットからサービスにかかる時間を記述し,それをもとにグラフかした.このグラフから連続失点部分をピックアップして,VTRに収めた失点部分の記録を眺めた.このグラフはプレイヤーの試合中の心理的な動きをよく理解でき,作戦上の不具合や心理的な動きを指摘するのに有効であった.プレイヤーはVTRを見ながらこのグラフを目で追いかけていた. また指導者へ提示した資料は,指導者の試合中の行動と言動を時系列的に表記した一覧表であるが,このときにも各試合ごとのサービスにかかった時間をあらわしたグラフを提示したところ,プレイヤーの試合中の技術的,心理的な状態がよくわかると回答があった.これらのことから,本研究で試みたチームの心理的コンディショニングプログラムは,チームの心理的な状態を改善するために,有効な資料を提示できるものと考えることができる.今後さらに指導者やプレイヤーから意見を取り入れながら,コンディンョニシグプログラムの完成を目指す.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 吉澤洋二: "試合時の選手の心理的状態を理解するために,VTR画像をどのように編集しフィードバックすれば有効なのか?" スポーツ心理学研究. (1999)
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[Publications] 吉澤洋二: "コーチはどのような競技行動をとればポジティブな選手の行動を引きだせるのか?" スポーツ教育学研究. (1999)