1998 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の歩行能力とそのトレーニング効果に関するバイオメカニクス的研究
Project/Area Number |
09680135
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
金子 公宥 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (00067232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍倉 保雄 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (60067254)
山崎 武 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (50067237)
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Keywords | 歩行 / 高齢者 / 歩幅 / 歩行速度 / 歩調 |
Research Abstract |
運動クラブへの参加が高齢者の歩行能力に与える効果を明らかにする目的で,運動クラブ(気功、太極拳、水泳、卓球、各種ダンスなど)に参加している女性61名(60-79歳;以下運動群と言う)と参加していない女性300名(60-79歳;非運動群)を対象に自由歩行と急歩(全力速度歩行)の速度、歩幅、歩調をビデオカメラの映像から計測した。また、運動群については、握力、垂直跳び、長座体前屈、ステッピング、-閉眼片足立ちのバッテリーテストを実施した。体力は、木村ら(明治生命厚生事業団第2回健康文化研究助成論文集、1996)が報告している高齢者の体力データを非運動群のデータとした。年齢区分は、60歳群(60-69歳)、70歳群(70.74歳)、75歳群(75-79歳)の3群に分け、運動群と非運動群を比較したところ、以下の結果を得た。 1. 自由歩行では、70歳群において運動群の速度が非運動群より有意に大きかった(p<0.05)が、60、75歳群の速度と全年齢群の歩幅において差がなかった。自由歩行の歩調では、70、75歳群において運動群の方が有意に大きかった。 2. 急歩では、速度、歩幅とも60、70歳群において運動群が非運動群より有意に大きかった(p<0.01〜0.001)。急歩の歩調では、70歳群において運動群の方が有意に大きかった(p<0.05)。 3. 体力においては、筋力(握力)、瞬発力(垂直跳び)、敏捷性(ステッピング)において60、70群が、柔軟性(長座体前屈)、平衡性(閉眼片足立ち)において60歳群が有意に(p<0.01〜0.001)大きな値を示した。以上の結果、運動クラブへの参加が急歩における歩行能力や筋力、瞬発力、敏捷性を向上させる可能性が示唆された。
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