1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
神谷 浩夫 金沢大学, 文学部, 助教授 (40192546)
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Keywords | 精神科診療所 / 都市計画 / 大都市 / 迷惑施設 |
Research Abstract |
医療施設の立地として、具体的には精神・神経科診療所を取り上げて分析を行なった。当初、愛知県だけを予定していたが、診療科目を絞ると調査対象の診療所数が少なくなることから、6大都市(東京都23区、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市)を対象とした。6大都市に立地する291か所の精神科・神経科診療所に対して、1997年12月に郵送アンケートを実施した。その結果、165の有効回答が得られた(回収率56.7%)。これと同時に、各都市の都市計画図を入手して、診療所が立地している場所が、どのような用途地域指定、建ぺい率、容積率の地域かをデータベース化した。また、各診療所をできるかぎり現地踏査し、その周辺環境の特徴を実際に把握しようと努めた。約7割の診療所については、写真撮影を行なった。 郵送アンケートの結果、以下の点が明らかとなった。 1)精神科・神経科診療所は、近年における神経症患者の増大傾向と相まって、1981年以降に開設されたものが約半数を占めている。 2)もっとも利用されている広告媒体はNTTのタウンページで、8割弱の診療所が利用している。 3)患者の来院経路は、口づてが最も多く、ついで他科の医師の紹介が続く。 4)通院患者がトラブルを起こして周辺住民から苦情が寄せられた経験のある診療所は約1割を占める。 5)診療所の通院圏はきわめて広く、市外(時には日本全国)からも患者が来ている診療所が7割を占める。
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