1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680171
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
堂前 亮平 久留米大学, 文学部, 教授 (50062857)
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Keywords | 沖縄 / 沖縄県人会 / 社会空間 |
Research Abstract |
名古屋市には戦前から紡績工場の女工や工場の工員としての出稼ぎが多かった.そのような歴史的背景から、現在でも守山区と緑区に居住地のセグリゲーションが見られる.福岡県では、戦前には工業地域としての北九州市への出稼ぎであったが、戦後は福岡市へシフトしている. 相互扶助を目的として沖縄県人会が組織されている.最上位の組織が県全体をまとめた愛知沖縄県人会連合会、福岡沖縄県人会である.その下に小さな単位としての県人組織が、沖縄での出身地、現在の居住地、さらに仕事別にもつくられている.大小のこれらの組織は、地域によっても、また時代によっても活動に特色が見られる.大きな流れで見るならば、初期は就職してきた沖縄県人を援助することであったが、時代とともに親睦的な色彩が強くなってきている. 沖縄県人の心の拠り所として、琉球舞踊をはじめ三線や太鼓などの芸能が盛んであり、従来は沖縄社会だけで演じられていたが、地域行事にも積極的に参加するようになり、地域との融合が進んできた.このような傾向は日常生活についても見られ、沖縄県出身者の生活行動様式が変化してきた.本土の人たちの沖縄に対する関心が高まるなかで、沖縄県の行政サイドからの戦略ではあるが、名古屋、福岡におけるアンテナショップは、本土と沖縄の人々の接点の一つとして重要な役割を占めるようになっている. 時代の流れの中で、また沖縄出身者の世代が変わることによって、沖縄県出身者の社会空間に変質変貌が見られる.
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