1998 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の自己教育力を高めるための自己意識形成支援システムの開発
Project/Area Number |
09680219
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
松原 伸一 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (30165857)
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Keywords | 自己教育力 / 自己意識形成 / 二次元イメージ法 / 行動変容 / 二値応答接近法 / BRAM |
Research Abstract |
本年度は,「学習者の自己教育力を高めるための自己意識形成支援システムの開発」と題する研究(3ヶ年)の2年めにあたるもので,この研究全体の中核をなすものである。学習者の自己教育力を高める教授・学習の手法としては,二次元イメージ展開法がある。この手法は,カードを利用するため,学習者にとっては良い操作環境を提供できるが,授業者にとっては準備に時間を要したり,データの整理などの点で効率的ではなかった。その解決策として,コンピュータを利用した支援システムを開発して利用を試みたが,カードの利便性を超える学習環境の構築には困難な点があることがわかった。そこで作業の簡略化をめざし,操作環境にも考慮するとともに学習者の思考活動を更に支援することを目的に,新たに連想法の考え方を取り入れ分析的視点の育成に特化した手法を開発し,二値応答接近法(BRAM:Binary-Response Approaching Method)と名づけた。この方法は,ある刺激語を学習者に与えて連想させることにより,表出された16個の語(連想語)を対象として,それらを分析するための思考活動を支援する方法である。一般に,分類の基本は2つのグループに分けることであることから, BRAMにおいても,YesかNoで応える質問(BRQ:Binary-Response Questionnaire)を学習者自らが考え出すことにより,連想語に対する分類の視点に注目させ,結果として思考活動を活性化することをねらっている。BRAMでは,それらの視点(BRQ)に対し,さらなるBRQを考えるように構成されており,視点そのものの推移に関わる分析活動の支援にも効果を期待している。本手法の評価に関しては,このシステムを使用する学習環境を検討し,実際に授業において利用することにより,その有効性について検討を行った。その結果,中学生を対象とした場合,連想語を16語から8語に減少させて行っても,予想した効果が期待でき,当初の目的を十分達成することができた。
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Research Products
(2 results)