1998 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの日常的社会認知の発達に関する時系列縦断的研究
| Project/Area Number |
09680277
|
|---|
| Research Institution | Nagasaki University |
|---|
Principal Investigator |
福田 正弘 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60149929)
|
|---|
| Keywords | 社会認識 / 社会認知 / 発達 / 社会科 / 経済認識 |
|---|
| Research Abstract |
本研究は、個々の子どもに焦点を当て、彼らが形成している日常的社会認知の変容過程を、4年間の追跡調査によって明らかにすることを目的としている。
研究2年目の本年度は、昨年に引き続き第2次調査を実施した。調査対象児童は、昨年と同じ小学校の第2学年〜第6学年の児童587名である。調査は、昨年同様、レモネードスタンドを経営する少女を題材に、子どもに様々な経営上の意思決定を行わせるという手法に依った。その内容は、1)様々な条件変化において販売価格をどうするか、2)その際、重視する基準は何か、そして3)収入、経費のデータから利益を何に投資するか、の3点である。1)と2)は昨年と同じものである。調査結果は、以下の通りであった。
1) 6対の条件変化を組み入れた12の質問を行ったが、各学年の反応状況は、第1次調査とそれと同傾向を示した。
2) 子どもが挙げる基準には学年差が見られたが、各学年の反応傾向は第1次調査のそれと同様であった。
3) 子どもは、拡大再生産のために原材料に投資するこは、低学年より気付いている。しかし、同時に、店の利益構造に縛られない発想も多く見られた。
1)、2)より、全体で見た場合、この1年間、子どもの認知は、昨年の1学年上級の子どものそれに到達するよう発達したといえる。また、個々の子どもの認知内容の変化については、後で分析する。
|
Research Products
(2 results)
