1999 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの日常的社会認知の発達に関する時系列縦断的研究
Project/Area Number |
09680277
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 正弘 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60149929)
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Keywords | 社会認識 / 社会認知 / 発達 / 社会科 / 経済認識 / 子ども |
Research Abstract |
本研究は、個々の子どもに焦点を当て、彼らが形成している日常的社会認知の変容過程を、4年間の追跡調査によって明らかにすることを目的としている。 研究3年目の本年度は、 1)これまでの2回の継続調査による子どもの反応の変化の分析 2)子どもの投資概念の形成的関係の分析 3)第3次調査の計画と実施 を行った。それらの概要と得られた成果は以下の通りである。 1)個々の子どもに焦点を当て、その反応の変化を分析した結果、子どもの反応の変化のパターンは、単純に正反応が増加するというものだけではなく、正反応から非正反応に移行する逆行もありうることが明らかになった。子どもが、発達と逆行(退行)の混・在状況を抜け出す契機は何かが新たな課題として浮上してきた。 2)子どもの予算制約、利益計算、再生産の3つの概念について、その形成関係を分析した結果、予算制約は後二者の先行要件といえるが、利益計算は再生産の先行要件とはいえないことが明らかになった。経済概念の構成要素を、発達的視点から捉え直す必要があることが示唆された。 3)第3次調査は、これまでと同手法で行った。子どもの反応を分析したところ、前2回の調査とほぼ同様の結果であった。 3回の調査によって得られた個々の子どもの反応変化の分析が求められる。
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Research Products
(2 results)