1999 Fiscal Year Annual Research Report
阪神大震災での生活情報の調査・分析から生活情報の構造についての研究
Project/Area Number |
09680437
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Research Institution | Kinran College |
Principal Investigator |
三石 博行 金蘭短期大学, 助教授 (20269822)
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Keywords | 阪神・淡路大震災 / 生活情報 / 生活構造と生活情報の社会システム論 / 住民情報 / 新聞情報 / デジタル情報検索の検定方法 / 生活情報の危機管理 |
Research Abstract |
阪神大震災時の住民生活情報に関する調査と分析 阪神大震災直後に出された住民情報の総合的な分析を、夏休みを掛けて、神戸大学震災文庫の資料を基にして行なった。その結果を日本災害情報学会で「阪神大震災時の住民情報の分析」として発表した。この分析は、住民情報誌を構成する要素、つまり情報源、初動情報日、情報発信日数、情報頻度のそれぞれの相関関係の類似性を見つけだし、震災発生から住民情報が作り出された日数、初動情報日に即して住民情報を第一期住民情報、第二期住民情報、そして第三期住民情報の三つに分類し、それらの共通性とその理由について解釈した。 生活情報の危機管理システムに関する提案 特に、第一期住民情報は生存に関わる生活情報を提供するために作られるため、この時期に素早く生活情報を提供するシステムが必要とされる。そこで、阪神大震災時に最も早く生活情報を提供した情報誌を詳しく分析した。それら情報活動は、それまでの日常的な市民運動や情報ボランティア活動が土台にあり、その上で機敏な情報ボランティア活動を組織していた。つまり生活情報の危機管理システムを作り出すためには、情報ボランティアなど市民活動の文化的土壌が必要であると考えられた。これらの調査や分析は、「阪神大震災で問われた情報文化の原点」として第7回情報文化学会で発表した。 デジタル新聞情報の統計分析の検定方法の分析 新聞社のデータベースを活用して記事検索を行なって来た。さらに、その分析の信頼性を点検するために、「風呂」に関する記事を全文出力し、検索目的を充している新聞情報を質的に点検し、ごみ情報の割合を調べ、新聞検索の資料の信頼性に関するデータ量の関係を示した。その結果は、「阪神大震災時の風呂に関する新聞情報の信憑性の分析」として第四回日本社会情報学会大会で発表した。 生活構造論学説史から生活情報論史観の理論的位置付け 生活情報論を、これまでの社会学の中で展開してきた理論に基づいて位置付けるため、昨年以来続けてきた生活構造論の学説史的分析を基にして生活情報の理論的土台を論文「生活構造論から考察される生活情報構造と生活情報史観の概念について」として纏め、情報文化学会誌に発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 三石博行: "阪神大震災時の住民情報の分析"日本災害情報学会1999年度研究発表大会. 121-130 (1999)
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[Publications] 三石博行: "阪神大震災時の風呂に関する新聞情報の信憑性の分析"第4回日本社会情報学会大会報告論文集. 12-13 (1999)
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[Publications] 三石博行: "阪神大震災で問われた情報文化の原点"第7回情報文化学会全国大会講演予稿集. 29-36 (1999)
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[Publications] 三石博行: "生活構造論から考察される生活情報構造と生活情報史観の概念について"情報文化学会誌. 第6巻1号. 57-63 (1999)