1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肥満細胞トリブターゼの分泌顆粒内での活性調節と生理作用に関する研究
Project/Area Number |
09680624
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
坂井 堅太郎 徳島大学, 医学部, 助手 (60196037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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Keywords | トリプターゼ / 肥満細胞 / ヒト |
Research Abstract |
生理的なpHである中性領域では、ヒト肥満細胞中に存在するβ-トリプターゼはヘパリンにより活性型の4量体として存在し、生体内に存在するセリン性プロテアーゼ阻害剤に対して耐性を持っている。生理的条件下での4量体のトリプターゼからヘパリンを除去すると中性領域では直ちに不活性の単量体に変換し、再びヘパリンを加えても活性型の4量体には戻らない。 昨年度の研究において、一度不活性になった単量体のヒトβ-トリプターゼが生理的条件下で活性型の4量体に変換する可能性について調べたところ、酸性条件下でトリプターゼは不活性の単量体から活性のある4量体に変換することを明らかにした。単量体から活性のある4量体に変換する至適pHは6.0、至適塩濃度は160mM、至適温度は22度から37度であった。 トリプターゼの活性型と不活性型の相互変換は、トリプターゼの局在部位である肥満細胞の分泌顆粒内で起こる可能性があるので、本年度の研究では、肥満細胞の分泌顆粒内に含まれるヘパリンなどのプロテオグリカンやヒスタミンがトリプターゼの活性型と不活性型の相互変換に影響を及ぼしているかどうかを調べた。その結果、酸性条件下で起こる不活性の単量体から活性の4量体に変換する際にはヘパリンなどのプロテオグリカンなどを必要としないことを明らかにした。本年度の知見より、トリプターゼがプロセシングにより酸性領域で不活性の単量体から活性のある4量体に変換する際にはヘパリンを必要とするのに対し、一度活性のある4量体のトリプターゼが不活性の単量体になったものが、再び活性のある4量体に変換する際にはヘパリンを必要としなくなる機構について検討する必要があることが示された。
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Research Products
(1 results)