1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肥満細胞トリプターゼの分泌顆粒内での活性調節と生理作用に関する研究
Project/Area Number |
09680624
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
坂井 堅太郎 徳島大学, 医学部, 助手 (60196037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 博 徳島大学, 分子酵素科学研究センター, 教授 (50144978)
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Keywords | トリプターゼ / 肥満細胞 / ヒト |
Research Abstract |
生理的なpHである中世領域では、ヒト肥満細胞中に存在するβ-トリプターゼはヘパリンにより活性型の4量体として存在し、生体内に存在するセリン性プロテアーゼ阻害剤に対して耐性を持っている。中性領域の生理的条件下において、4量体のトリプターゼからヘパリンを除去すると、直ちに不活性の単量体に変換し、再びヘパリンを加えても活性型の4量体には戻らない。 一昨年および昨年度の研究において、一度、不活性になった単量体のβ-トリプターゼが生理的条件下で活性型の4量体に変換する可能性について調べたところ、酸性条件下でトリプターゼは不活性の単量体から活性のある4量体に変換することを明らかにし、不活性の単量体から活性の4量体に変換する際にはヘパリンなどのプロテオグリカンを必要としないことを明らかにした。 本年度の研究では、肥満細胞の分泌顆粒内において、酸性条件下で不活性の単量体から活性の4量体に変換する際に、ヘパリンなどのプロテオグリカンなどを必要としなくなる機構を、再度、活性型になったトリプターゼが分子内の修飾やプロセシングを受けているかどうかを検討した。FPLCによる分子ふるいカラムを用い、トリプターゼの分子量の変化を指標として検討した結果、不活性の単量体から活性の4量体に変換したトリプターゼの分子量は約12万と推定され、分子量からみたトリプターゼの更なる修飾やプロセシングはないものと推定された。
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