1998 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質生合成における膜透過停止過程を補助する因子
Project/Area Number |
09680691
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10192460)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博幸 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10243271)
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
|
Keywords | FtsH / ストップトランスファー / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本研究は膜蛋白質の膜組み込み過程における膜透過停止(Stop transfer;ST)配列機能に焦点をあて、その過程に働く細胞因子を同定し、その役割を明らかにすることを目的とする。申請者らは以前に膜を10回貫通するトポロジーを持つSecYタンパク質のC末端細胞質領域に融合したPhoA(アルカリ性ホスファターゼ)が大腸菌野生株中では安定に細胞質にとどまるが、ftsH変異株中ではペリブラズム側へと「膜透過」する事を見いだした。これは、PhoAドメインの直前にある膜貫通配列がftsH変異株中ではST配列として十分できないことを示し、FtsHがST配列の機能発現に関与することを示唆する。FtsHは膜結合A.TPaseでプロテアーゼ活性を持つが、プロテアーゼ活性とは別に膜タンパク質のST配列あるいは細胞質領域などと直接相互作用して膜タンパク質の組み込みに関わる可能性が考えられた。本年度はFtsHとタンパク質との相互作用について解析し以下の結果を得た。1)FtsHは尿素・メルカプトエタノール処理により変性させたPhoAを結合するが、正しくフォールディングしたnativePhoAとは結合しなかった。また、FtsHは精製したSecYタンパク質も結合した。2)前記の変性タンパク質との結合はATPの存在の有無に影響されなかった。3)FtsHはSecYはATP依存的に分解したが、変性PhoAの分解は見られなかった。これらの結果はFtsHがアンフォールドしたタンパク質に結合しうるが、結合したタンパク質を必ずしも分解しないことを示す。このようなFtsHの「活性」はST配列の機能発現やその他の膜タンパク質組み込み課程において働く可能性がある。
|
-
[Publications] Yoshinori Akiyama: "Polypeptide-binding of Escherichia coli FtsH(HflB)" Molecular Microbiology. 28. 803-812 (1998)
-
[Publications] Akio Kihara: "Differential pathways for protein dogradation by the FtsH/HflKC membrone-embeded protease complex : an implication from the imterference bxamutam from of new substate" Journal of Molecular Biology. 279. 175-188 (1998)
-
[Publications] Yoshinori Akiyama: "Rdes of the periplasmic domain of Escherichia coli FtsH (HflB) in protein interactions and activity modulation" Journal of Biological Chemistry. 273. 22326-22333 (1998)