1998 Fiscal Year Annual Research Report
視床皮質軸索が投射する大脳皮質錐体細胞のシナプス形成の解析
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09680736
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Research Institution | The institute of Physical and Chemical Research (RIKEN) |
Principal Investigator |
石井 勝好 理化学研究所, 神経構築技術開発チーム, 研究員 (40202931)
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Keywords | 大脳皮質 / GABAニューロン / 免疫組織化学染色 / 発生 / 細胞内注入法 / ルシファーイエロー / ラット / 視床 |
Research Abstract |
大脳皮質と視床を結ぶ神経回路のうち視床皮質路投射の視床の後腹側核(VP)ニューロンの軸索終末は主として大脳皮質体性知覚野の第III層深部、第IV層、それに第V層浅部に分布しバレル野を作ることを、今まで成長円錐などの軸索先端までの標識が十分とは言えなかったが、Biocytinにより私達は軸索先端まで標識し、視床皮質軸索の伸長と皮質内分布を明らかにした。また視床皮質軸索は、生後3日目ですでに視床皮質軸索力がGABA抗体陽性細胞の近傍まで達していることとGABA抗体陽性細胞の生後形態変化を本年度購入した三次元マニュピレターによりLucifer Yellowを細胞内注入することにより明らかにした。すなわち大脳皮質第IV層内のGABA抗体陽性細胞の形態はほとんどが多極性細胞であるが、生後3-7日目では紡錘形の細胞体から尖端と基底側に比較的太い細胞質突起をもつ双極性様細胞も認められた。生後14-21日目では、多くは球状の細胞体とそれらから放射状にでている多数の樹状突起を持つことを明らかにした。 現在視床皮質軸索の皮質脊髄路起始ニューロンである大脳皮質第V層の錐体細胞への投射及びシナプス形成と大脳交連軸索起始ニューロンである大脳皮質II/III層の錐体細胞への投射及びシナプス形成を明らかにする。すなわち、Biocytinを視床に注入し、ローダミン・アビジンDを反応させ視床皮質軸索を順行性に先端まで標識する。同時にFluoroGoldを反対側頚髄あるいは大脳に注入することにより第V層あるいは第II/III層のそれぞれの錐体細胞の細胞体を逆行性に標識し、それらにLucifer Yellowなどを細胞内注入することにより視床皮質軸索の投射を受ける錐体細胞の樹状突起の広がりとそれらの胞体部、樹状突起へのシナプス接合を観察する。それらの電顕標本を作製しシナプス結合を明らかにすることの実験については進行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石井勝好: "生後発生期ラット大脳皮質第IV層内GABAニューロンの形態" 解剖学雑誌. 73・4. 376 (1998)
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[Publications] KATSUYOSHI ISHII: "Postnatal development of GABAergic neurons in layer IV of the rat cerebral cortex." Soc.Neurosci.Abstr.24・1. 58 (1998)
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[Publications] KATSUYOSHI ISHII: "Developmental distribution of the APC tumor suppressor protein in the rat central nervous system." Proceedings of Australian Physiological and Pharmacological Society. 29・2. 122P (1998)
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[Publications] 石井勝好: "発生期ラット中枢神経系における癌抑制遺伝子APCの産生蛋白局在の免疫組織化学的研究" 解剖学雑誌. 74(発表予定). (1999)