1998 Fiscal Year Annual Research Report
小脳プルキンエ細胞におけるシナプス構築機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
09680804
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
目黒 裕之 秋田大学, 医学部, 助手 (60291093)
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Keywords | シナプス形成 / サブトラクションクローニング / in situ ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
シナプス形成に関与する新たな遺伝子の同定のため、神経毒を投与し小脳プルキンエ細胞への入力の一つである登上線維を選択的に遮断したラットとを用い、このラットと正常ラットより調製したmRNAを使いたサブトラクションクローニングを行い、既知の遺伝子、既知の遺伝子と相同性の高い遺伝子、及び未知の遺伝子数種類を得た。幾つかのクローンについてin situハイブリダイゼーション、神経毒を投与した動物の小脳RNAと正常動物の小脳RNAとのノーザンブロットにより転写産物の発現量の比較を行ったが、何れの実験でも有意な変化を認めることができなかった。残りのクローンについて実験を継続中である。さらに、プルキンエ細胞を含めた神経細胞に発現し、神経活動に伴い変化する遺伝子を同定する目的で、より均一な条件を作れるラット胎児の脳細胞初代培養系を用い、神経刺激物質NMDAの投与前後でのmRNAを調製し、サブトラクションを行った。得られたサブトラクション産物をプローブに用い、ライブラリーをスクリーニングし、数個のクローンを得た。これらをプローブにin situハイブリダイゼーションを行い、一つのクローンでプルキンエ細胞を含めた神経細胞に転写産物が発現することを確認した。このクローンは核酸配列から、細胞骨格蛋白質に関連する既知の蛋白質に高い相同性を持っていることが分かった。現在、蛋白翻訳領域の全長を含むクローンをスクリーニング中である。
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