1998 Fiscal Year Annual Research Report
顔画像処理抜術を利用した乳児の顔知覚学習の実験的検討
Project/Area Number |
09710040
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
金澤 真美 (山口 真美) 中央大学, 文学部, 助教授 (50282257)
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Keywords | 顔 / 乳児 / 初期発達 / プロトタイプ / 視覚経験 / ニホンザル |
Research Abstract |
本研究では,ヒトとサルを対象に,顔認識の発達的変化を探る実験を探索的に行った.ヒトを対象にした実験では,生後0ヶ月から10ヶ月まで,親しい既知の集団(家族)の顔にたいする認識の発達的変化を調べる縦断的実験を行った.顔にたいする注視時間の分析の結果,生後1ヶ月の段階で顔にたいする好みが成立し,生後2ヶ月から好みが特定の顔に集中し,生後3ヶ月以降で写真顔にたいする興味が失われていくことが観察された.さらにニホンザルを対象に,サルの保育者集団の顔にたいする認識の発達的変化を調べる縦断的実験を行った.顔にたいする注視時間の分析から,生後1ヶ月の段階で,特定の顔にたいする好みが成立することが示唆された.以上の実験結果から,まず第一段階として顔一般にたいする好みが成立し,次の段階として主たる養育者という特定の顔にたいする好みが成立していくとが示唆された.さらに,親しい既知集団の顔を画像合成し,作成した合成顔にたいする好みを比較することにより,顔にたいする好みがどのような特徴要因によって形成されるのか調べる実験を行った.その結果,顔の好みは,様々な視覚経験の積み重ねによって形成されるプロトタイプ的な好みによって成立するのではなく,視覚経験の高い特定の顔(母親あるいは主たる養育者)の特徴要因が強調された形で成立する可能性が高いことが示唆された.以上の実験結果から,発達初期の視覚経験が親しい顔の認識発達に果たす影響について議論を行った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山口真美・尾田政臣: "正面顔のカージオイド変換が年齢認知に及ぼす影響について" 電子情報通信学会論文誌. J80-A(8). 1250-1258 (1997)
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[Publications] 山口 真美: "顔という観点から文化をみる" 中央大学人文科学研究所紀要. 28. 205-214 (1997)
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[Publications] 山口 真美: "ヒトによる顔画像の認知の研究" 画像ラボ. 7. 8-12 (1997)
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[Publications] 山口真美: "乳児の顔認知に関する研究" 電子情報通信学会技術報告. HCS96-43. 35-41 (1998)
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[Publications] 山口真美・金沢創: "サルの顔,ヒトの顔" 言語. 27,12. 44-49 (1998)
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[Publications] 山口 真美 他: "PCAを用いた表情合成に対する心理評価" 電子情報通信学会技術報告. HCS. (1999)