1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710331
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 祥一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40262092)
|
Keywords | シェイクスピア / エリザベス朝 / 変装 / 主体 / イギリス演劇 / 英文学 |
Research Abstract |
本研究は、実証的は資料調査に基づくエリザベス朝の膨大な数の戯曲のデータベース化とその分析とに基づくものであるが、予定通り、戯曲のデータベース化の5割程度を完成することができた。これらの資料をもとにして執筆した論文'Fletcher versus‘Fletcher"はロンドンのAssociated University Pressから出版予定の英語論文集に収録される(現在、校正刷り校了)。 本研究はいずれ『イギリス・ルネサンス演劇事典』として公表することを予定しているが、研究を進めるにつれて明確になってきたことは、これまでエリザベス朝研究の土台となってきたE.K.ChambersのElizabethan StageおよびG.E.BentleyのJacobean and Caroline Stageを抜本的に書き直す必要があるということである。特に当時の劇団・劇場については近年のローズ座発掘によってわかった事実とあわせて総括する必要があり、本年度はこうした劇団-劇場についての基本調査をも行った。また、これらの基本調査とは別に、現在未発表の英語論文「ルネッサンス演劇における変装」の執筆も完了したので、これを近年中に日本語の図書の形で発表する予定である。この論文はエリザベス朝演劇の変装の主体の問題を通時的側面と文化唯物論的側面から分析したのであり、本研究によって明確になった「エリザベス朝演劇では7割の戯曲が何らかの形で変装を用いている」という統計結果に基づいた分析がなされている。
|
Research Products
(1 results)