1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09730070
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若林 靖永 京都大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70240447)
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Keywords | マーケティング / 医薬品 / 顧客サービス / MR(医薬情報担当) |
Research Abstract |
本年度の研究では、医薬品マーケティングにおける顧客サービスを解明するために、第1に、医薬品メーカーのマーケティングを規定する諸要素の検討をすすめた。化学物質から医薬品を開発するためには莫大なコストと時間、そして運が必要である点、社会的に医薬品に対する期待が強まると同時に副産物などへの責任も問われている点、経済的には財政圧迫のため医療費制限の一環として医薬品コストの削減が先進国共通の課題となっている点について考察をすすめた。 第2に、医薬品メーカーのマーケティングのモデル構築のための分析をすすめ、新医薬品の普及プロセスのモデル、競合商品との競争プロセスのモデル、MR(医薬情報担当)のディテーリング(医療機関訪問)活動のモデル、コ・マーケティングないしコ・プロモーション(医薬品を他企業と共同で販売することなど)のモデルの5つのモデリングを開始することにした。この点で課題となったのは、現実の医療機関の医薬品購入決定行動を決めるものやプロセスの解明と、同時に目標とすべき、あるべき医薬品購入のルールをめぐる問題である。 次年度は、引き続きモデリングをすすめるとともに、医薬品メーカーの販売責任者、プロダクト・マネジャー、MRへのヒアリングをすすめ、特にMRのディテーリングの活動構造・活動評価の解明に取り組む予定である。また、医薬品メーカーのマーケティングおよびMRのディテーリングについて、経営的評価のみならず、医療行為の質への貢献など社会的貢献の点からの評価のあり方についても情報を収集する必要がある。
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